第179訓-■■■篇-二九 八:二の割合 ページ29
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「姉さん?なんでここに、…………っ!」
しずきは私を見て目をひん剥かせた。わなわなと身体を震わせ、突如叫んだ。
「やっぱり……やっぱり!!!」
怒りと悲しみも含まれた叫びによく聞こえる耳にキーンと響く。
「姉さんどうしてだよぉ!!なんで、なんでソイツを選んだの?!」
「……え?」
しずきの言っている意味がわからなかった。後ろにいる銀時達も───「見つけたよ!」
「!銀と、」
「──!」
ガギッ!と木刀と鋭い何かがぶつかる。
「銀さん!!」
「あれは…………爪?」
小学生くらいの女の子はその容貌に似合わない禍々しい色をした爪を長く、おぞましいと感じさせるものだった。
私は慌てて加勢しようとして、素早く振り返り走り出そうとしたところで後ろからガキンっと金属のぶつかり合う音が。
もう私はくるくるしてばかりや。
振り返り直せばしずきが銃をこちらに向けていた。私に当たるように真っ直ぐに。
それでも当たらなかったのは、栗色の頭の彼が庇ってるからだった。
「沖田……さん」
「…………」
沖田さんは何も言わなかった。こんな状況なんにはよ謝らんと、と私の中で何かが急かしてきた。だから口を開いた。
「ごめん、ごめんなさい。立ち直ってほしくて、振り返って後悔して欲しくなくて……でも、キツく言い過ぎた。私があんなこと言われたら刺し殺しとると思う。……………………八:二の割合で二の方で私が悪かった」
「ほぼ思ってねーじゃねェか!!」
そうして私達は顔を合わせた。なんだか、お互いにお互いの顔を見合せたのは随分と久しぶりな感じがする。
そうやって見続けているとバンッ!と私たちの間に銃弾が床にめり込む。私は慌てて立ち上がり、短刀を取り出す。もう決めた、大剣をこれから持ち歩こう。
沖田さんも隣で刀を構える。
「しずき……なんでこんなこと。そんなに私の事が嫌いやったんか…?」
「そんなわけないだろう姉さん!僕は……ただ、もう一度【いおり】と共に生きるためにやっているだけなんだ!姉さんが…………坂田銀時を選んだから」
「銀時?選んだ?」
「“
矢継ぎ早にしずきは語る。その内容に私は、よく分からないと眉を顰めるだけだった。
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運動系引きこもり(プロフ) - 七瀬未来さん» 七さんへ。字数制限での縮め方は目を瞑りましょう。たくさんの感想を聞けて嬉しかったです。挿絵は頑張りました。もっと褒めて欲しいです。P.S七さんも5巻出せるよう頑張ってください。コメント書きに行きます、 (2021年2月8日 11時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
七瀬未来(プロフ) - 運こへ。東雲さん沖田くんと仲直り出来て良かったです……。あと東雲さんの表情筋が段々と緩んできてるのに読んでる私も頬も緩みました。人形マダオとギャル男とのお話も頑張って下さい!PS.挿絵素晴らしかったです。銀しの推しだったけど沖しのにもグッと来ちゃったよ (2021年2月7日 13時) (レス) id: e97d6b826d (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 睡眠足りない布団好き女子さん» ようやくこの画像出せたよ……!うん、恋愛って難しいからね(なんで逆ハー書いてる?) (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9fef19786d (このIDを非表示/違反報告)
睡眠足りない布団好き女子(プロフ) - あの画像がまさかここで使われるとは.........!! 次が超絶気になる〜!!!! 楽しみにしてマース!! てか、これ逆ハーやったって今思い出した笑 (2021年1月21日 23時) (レス) id: 9e26011d22 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - ポケットの案内人さん» そうですそうです! (2020年9月19日 12時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2020年4月14日 13時