検索窓
今日:2 hit、昨日:18 hit、合計:142,440 hit

第101訓-柳生篇-一 股の玉 ページ1

【柳生篇】



────
とある神社に子供達の遊ぶ楽しそうな声が聞こえる。
しかし、そこには似つかわしくない泣き声が聞こえた。



「もう男の子がそんなにメソメソしないの。それでもお侍さん?」



そんな少女の声にずるっ、と鼻水を飲み込み、まだ涙ぐんだ目で前の楽しそうに遊んでいる自分をいじめていた奴らを睨みながら言った。



「妙ちゃんもじーちゃんと同じこと言うんだね。侍 侍ってお侍ってそんなに強くならなきゃいけないの?

僕なんかチビチビっていつもいじめられるし、女の子の妙ちゃんより小さいし、こんなチビがお侍になんてなれるわけないんだ。」



どんどん自虐的に走っていく友達に少女は笑顔を絶やさないまま言葉を続けた。



「大人になったら大きくなれるよ。」

「なれないね。だって父上もじーちゃんも僕の一族はみんなちっちゃいんだ。」



少女の言葉もすぐに反論する。



「ちっちゃくたっていいじゃない。私のデータによると社長とか大物は結構背が小さい人の方が多いのよ。」

「どこの情報だよ妙ちゃん。」

「そういう人の『股の玉』になれって言われてるんだ。」

「『玉の輿』だよ妙ちゃん。もうなんか色んなものがごちゃ混ぜになってるよ。」





「それに、みんなより背がちっちゃいなら
九ちゃんは誰よりも心の大きな侍になればいいんだよ。」





絶やさない綺麗な笑顔。それがどんなにこの少年の心に影響されたのか。

一つ結びの黒髪を揺らして少年は少女の方を見て少し赤くなった。涙をまだ溜めたまま、少年はその弱い心のまま、強く決心する。



「…じゃあ妙ちゃん…、僕が心の大きな、強い侍になったら、妙ちゃん僕の……僕の股の玉に…」



幼いながらの少年が決めた生涯の好きな人(股の玉)






────心の中で欠けていった欠片達。僕はそれを拾い集めよう。









.

第102訓-柳生篇-二 空っぽな手の恋→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (150 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
366人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

運動系引きこもり(プロフ) - 無影灯さん» はじめまして!コメントありがとうございます!面白いと言うコメントを頂くとやっぱり嬉しいものです…。はいっこれからも頑張りますね!! (2020年3月12日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
無影灯(プロフ) - はじめまして、お疲れ様です!見やすくて、とても面白いです!これからも応援してます! (2020年3月12日 15時) (レス) id: 7a1223e495 (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - 糸針シナさん» シナさんいつもありがとうございます引き継ぎが出来ました。ほんと、お礼したいですいつか。評価の方はこちらで頑張ってみます!ありがとうございました…!!シナさんも更新頑張ってください応援してます…! (2019年11月30日 16時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)
糸針シナ(プロフ) - 評価ボタン押せるには押せますが見えませんね…、引き継ぎですが、こちらでできますよ〜!→ https://uranai.nosv.org/favcnt.php (2019年11月30日 16時) (レス) id: 2d5e82106c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:運動系引きこもり | 作成日時:2019年11月30日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。