なんなのこの妖怪 ページ32
そして、放課後になり、部活の時間。
「はーちゃん、私ボールの点検しとくから、はーちゃんは部室の整備お願いできる?」
桃井ちゃんに任される。
「勿論!なんだって聞くよ、桃井ちゃんの仰せのままに!」
笑顔(マジキチスマイル)で部室まで向かっていく。
ぐぇへほっへへへ、ピーーッ本見つけたろ!
バタンッ!!
勢いよく部室の扉を開けた。
そしてそのまま、ロッカーへ直行__する筈だった。
「…こら、もっと静かにあけなアカンやろ…?」
「フォルテッシモォオオオォオオォォ……!?」ビックゥ
なんと、扉の先には練習着姿の桐皇の妖怪が。
なんなんだ、この人。
サトリディレクションでも使ったのか。
「さてと……なんで今ワシがここにおるか分かるか?」
「自分が妖怪であることを自白しに?ごめんなさい、そのことはもう知っt」
「ちゃうわ。あのな、今日は話をしにきたんや。……Aちゃんと秘密の話、な…」
耳元で囁かれる。
行動一つ一つがなんか、こう………
色っぽい。
「…つーか、その名前にちゃん付け呼びやめろ下さい。で、話って?」
今吉妖怪先輩に訪ねると、先輩は「うーん…」と唸る。
は、おい、もしかしてノープランかよ。
「特にないで。」
「何しにきたんや!!」
最初の前置きはなんだったんだよ…
心の中でツッコミを入れていると、突然、今吉さんが距離を詰めてきた。
「は………?ちょ、今吉せんぱ__」
「__なんや、怪我しとるやん」
ガーゼで手当てした傷を、細い指で触れられる。
思わず、肩がぴくっと跳ねてしまう。
「どこで怪我したんか知らんけど……ワシも部活の仲間や。心配くらいさせてーや…」
「__っ、ひゃ…ぁ」
かぷっと、首筋を甘噛みされる。
痛くない。痛くないけど………なんか、くる感じ…
「…、かわいい声もらったで。」
「__っ、」
ぺろ、と妖艶に舌なめずりする。
「じゃ、ワシは行くわ。整備頑張ってなー」
それだけ残して、手をヒラヒラと振りながら扉をぱたんと閉めて出ていった。
やっぱり、妖怪…じゃん。
赤くなった頬を、手で覆っていた。
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しゅん - 面白いです! (2018年6月7日 18時) (レス) id: 32b41a532f (このIDを非表示/違反報告)
未来紡 - コメントありがとうございます!自分では超スローペースだと思っていたので、とても嬉しいです!頑張ります! (2018年3月18日 10時) (レス) id: 8800973e38 (このIDを非表示/違反報告)
ぱやぱや(プロフ) - 流れがサクサク進んでいいですね。更新楽しみにしております(●´ω`●)頑張ってください! (2018年3月18日 9時) (レス) id: 918f2226ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来紡 | 作成日時:2018年3月11日 17時