桃井ちゃんと急接近 ページ31
「ってーな……」
「!大丈夫、はーちゃん!?」
次の休み時間、殴られたところを押さえていると、桃井ちゃんが泣きそうになりながら駆けつける。
「ううん、なんでもない!
超元気!マジ元気!ほんと!」
「……、嘘、だよね…?
私なんかをかばって、怪我、しちゃって……っ、ごめん、ごめんね……っ、」
桃井ちゃんが、堪えきれずに涙をぽろぽろと流す。
違う、そんな顔、させたかったんじゃない。
「……うん、怪我しちゃった。
でもさ、それは絶対に桃井ちゃんのせいなんかじゃない!だから、謝らんでいいよ」
涙の斑点がつけられていく桃井ちゃんが握りしめる手の雫を、そっと拭う。
安心させるように、微笑んで。
「……、うん…!
じゃあ、せめて保健室に連れていくね!行こう、はーちゃん!」
「おっけー!」
桃井ちゃんは、吹っ切れたように明るい笑顔を見せた。
__
_______
「えーと…怪我してるのは右肩だよね?
じゃあ、その…ちょっと右肩見せてもらっていい、かな…?」
桃井ちゃんがもじもじしてる。可愛い。
だがな、別に私は動じない。なんせ、ブラジャーなんてしてねえからバレる心配なんてねえからな。
なんでしないかって、察しろ。
というか、好きな女の子に接近されて嬉しくないやつなんているのか。
「へいへーい!
君の為ならどんどん脱ぐよ!」
シャツのボタンを外して、
右肩をさらけだす。やだおいろけ。
「そ、そんなにどんどん脱がなくてもいいけど……じゃあ、じっとしておいてね」
消毒液とピンセット、ガーゼを持った桃井ちゃんがぐいっと近付いてくる。
んふふ、ここは天国か。
というか、良い香り……桃の匂いがする。嗅ぎまわしたい。(重罪)
消毒液をつけたガーゼを挟んたピンセットを、桃井ちゃんの綺麗な指がつまんで、私の右肩に_____
「ひゃんっ」
ちょん、と触れた。
つめた。つーか………
ナンカ変ナ声出タケドォオオォ!?
あわ、あわわわわ……なにをしている、自分…!!
「……はーちゃんって、やっぱり間抜けだね…!」
「解せぬ。」
桃井ちゃんはくすっと笑った。
「__でも、好きだよ。
そーいうとこ」
ずきゅきゅん。
射抜かれまくりだな、私……
ああ、でも、ジーザス。
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しゅん - 面白いです! (2018年6月7日 18時) (レス) id: 32b41a532f (このIDを非表示/違反報告)
未来紡 - コメントありがとうございます!自分では超スローペースだと思っていたので、とても嬉しいです!頑張ります! (2018年3月18日 10時) (レス) id: 8800973e38 (このIDを非表示/違反報告)
ぱやぱや(プロフ) - 流れがサクサク進んでいいですね。更新楽しみにしております(●´ω`●)頑張ってください! (2018年3月18日 9時) (レス) id: 918f2226ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:未来紡 | 作成日時:2018年3月11日 17時