past story2〜"普通"の人間のお友達〜 ページ8
その日、三人の部屋に新しい子が入ってきました。
いつもなら孤児院の大人たちは、三人を気味悪がって他の子どもを入れないのですが…。
どの部屋も空いていないという事で、仕方なく緑川を三人の部屋に入れたのでした。
緑川「は、初めまして……。緑川リュウジです……よ、よろしくね」
顔を赤らめたどたどしく自己紹介する緑川に、三人は少し警戒していたものの彼を受け入れる事にしました。
緑川「あの……君たちの名前って？」
三人と仲良くなりたい緑川は積極的に三人に話しかけます。
南雲「南雲晴矢だ、よろしく」
最初に閉ざしていた口を開いたのは、やはり南雲でした。
ヒロト「……基山ヒロトだよ。よろしく」
真っ先に動いた南雲を見ていたからか、基山も続けて口を開きました。
涼野「……」
緑川「あの……君の名前は？」
ですが…三人の中で一番警戒心が強い涼野だけは、俯いて黙っていました。
緑川「ねえ……？」
涼野「……お前は私の事、『化け物』扱いしない？」
緑川「え……？」
涼野の一言に、この部屋にいる誰もが凍り付きました。
しばらくの間…静寂が続きましたが、緑川が静かに笑みを浮かべました。
緑川「うん、絶対しない。だって……君も俺と同じ『人間』だから」
涼野「……ッ！」
その一言が驚くものだったのか、あるいは嬉しかったのか、涼野はその場にうずくまって泣き出しました。
それは南雲とヒロトも同じでした。
『化け物』扱いされてきた三人はずっと…『人間』である事を認めてもらいたかったのです。
静かに泣き出す三人を前に緑川は戸惑いながらも、その背中を優しく撫でてあげました。
こうして…こんな事をきっかけに四人は『友達』になる事が出来たのです。
その日から…三人は自分たちの力をコントロールしようと、日々特訓を始めました。
何故なら…緑川は自分たちとは違って、特殊な力を持たないからでした。
彼の前で不思議な力を見せたりすれば、彼もきっと自分たちを恐れ離れていってしまう…そう三人は考えたからです。
三人の力は日を重ねるにつれて…次第にコントロール出来るようになっていきました。
その甲斐もあって、緑川と過ごした一か月の間は力を見せずに隠す事が出来たのです。
力を見せる事もなく、三人は仲良く一か月という短い時間を過ごしたのでした。
そして月日が流れ…三人はとある一家に養子として引き取られたのです。
memory42〜発覚する事実〜→←past story1〜とある孤児院の話〜
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＊彩葉＊(プロフ) - 最終章についてですが、年が明けると同時に執筆開始していこうと思います〜！ (2021年12月25日 10時) (
レス) id: d15a7c9b5b (このIDを非表示/違反報告)
＊彩葉＊(プロフ) - ユッキーさん» いえいえ〜！喜んでもらえて良かったです！！ (2021年11月3日 22時) (レス) @page40 id: d15a7c9b5b (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー - 氷浦貴利名君が出てきただと…!?僕の押しキャラーー!ヽ(=´▽`=)ﾉありがとうございますm(_ _)m (2021年11月3日 17時) (レス) @page17 id: 81b38530d7 (このIDを非表示/違反報告)
＊彩葉＊(プロフ) - さくらもち。さん» ｱｯｱｯありがとうございます…!!!お待たせしてしまって申し訳ない…!!これから更新頑張ります〜!!! (2021年8月23日 1時) (レス) id: d15a7c9b5b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち。 - 復活おめでとうございますー！待ってました！！更新頑張って下さい！！応援しています！！ (2021年8月22日 23時) (レス) id: be142694a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：＊彩葉＊ | 作成日時：2021年8月22日 17時
