memory56〜アジトへ帰還〜 ページ23
アジトへの帰り道。あの森の中で彷徨っていたのもあって空は既に暗き色に染められていた。
皆アジトへと向かう足取りは少し重く、空気も何処か鉛のようにずっしりと重量を感じられた。
それも仕方ないか。何せあんな事を聞いた後だもんな。
いつか団長であるヒロトからこんな話を聞かされた事があるのを思い出した。
メカクシ団団員はそれぞれ大切な誰かを失っている、と。
ヒロト、南雲、涼野、風丸、不動、神童は彼らの親を失い。
豪炎寺、鬼道は彼らの唯一の妹を失い。
アフロディ、霧野、佐久間、氷浦は彼らの友を失ったそうだ。
アタシやコスモ、シロはそもそもカゲロウデイズに接触したのかも分からない不可解な奴ららしい。
だが目の能力を持っている以上は必ず接触しているのだろうが。
生憎誰もそれに関する記憶がない。
…兎も角皆辛い感情を抱いているのは共通しているのだ。
緑川「…あのさヒロト…ちょっといいかな?」
ヒロト「ん…?緑川どうしたの…?」
重々しい静寂をふと緑川の声が貫く。一体どうしたのだろうか。
緑川「…俺もメカクシ団に入ってもいいかな?…ヒロト達に言えてない事は沢山あるんだけど…駄目かな…?」
どうやら緑川はメカクシ団への入団を希望しているようだ。
というか言えてない事とは一体…それに疑問を抱いたのはヒロトも同じだろう。
ヒロト「駄目…とは言わないよ。俺達はいつでも歓迎さ…。けど…緑川、いつかは聞かせてもらうからね…?緑川が言う、言えてない事をね…」
緑川「…うん、分かった…いつか、ね…」
そう言って笑う緑川の顔を哀しみに満ちていた。
今にも泣きそうなそんな顔。それはアタシもいつか見た事があるような気がした。
涼野「…そろそろアジトだ。皆…今日は遠征もあったし、各自帰宅次第休憩を取るように」
副団長である涼野が的確な指示を出す。やはり副団長と言う役職がよく似合う。
南雲「…よ〜し!お前ら!帰ったらトランプでもして遊ぼうぜ!偶にはいいだろ?」
南雲の提案に重々しい表情をしていた団員達も明るい表情を見せて頷く。
…兎に角今はこの幸せを味わえるだけで良いだろう。
そう思えるだけで世界を回っていくのだから。例えどんな明日が来ようとも。
不意に目がどんどん熱くなっていくのを感じた。はは…泣きそうになってんのかアタシ?
だがそれは違った。
アタシの目が熱くなっていたのは泣きそうになっていたからじゃない。
―――『目を見通す』が発動していたのだ。
memory57〜"視えた"のは最悪の結末〜→←memory55〜増えていた"蛇"〜
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*彩葉*(プロフ) - 最終章についてですが、年が明けると同時に執筆開始していこうと思います〜! (2021年12月25日 10時) (レス) id: d15a7c9b5b (このIDを非表示/違反報告)
*彩葉*(プロフ) - ユッキーさん» いえいえ〜!喜んでもらえて良かったです!! (2021年11月3日 22時) (レス) @page40 id: d15a7c9b5b (このIDを非表示/違反報告)
ユッキー - 氷浦貴利名君が出てきただと…!?僕の押しキャラーー!ヽ(=´▽`=)ノありがとうございますm(_ _)m (2021年11月3日 17時) (レス) @page17 id: 81b38530d7 (このIDを非表示/違反報告)
*彩葉*(プロフ) - さくらもち。さん» アッアッありがとうございます…!!!お待たせしてしまって申し訳ない…!!これから更新頑張ります〜!!! (2021年8月23日 1時) (レス) id: d15a7c9b5b (このIDを非表示/違反報告)
さくらもち。 - 復活おめでとうございますー!待ってました!!更新頑張って下さい!!応援しています!! (2021年8月22日 23時) (レス) id: be142694a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*彩葉* | 作成日時:2021年8月22日 17時