6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ42)

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混濁の所以ページ42

～スマイルSide～

俺が承諾すると、ストラは特に何も躊躇せず、
魔力魂を6つに割った。

「っ!?」
「何、完全に粉砕はしないさ。でも強力な魔法使いが5人も来るとなると、少し細工をしておかなければならないからな。」
そういうと彼は魔力魂をどうやったのか複製し、6つの色をつけると水晶の中に放り込んだ。

すると、水晶の中に映し出される彼らの近くに、ぱらぱらと6つのクリスタルが落ちる。

「此奴らの魔力は、半分貰った」
「…俺の魔力は」

「当たり前だろう、此方の世界に来て力を取り戻したお前が一番危険なんだから」
…違う。翡翠色の瞳の彼は、瑠璃色の瞳の彼は、そして琥珀色の瞳の彼も。

今の俺なんかよりも何十倍も強いだろう。
魔法を動かすのは心の力だ。

彼らが強いのは魔力だけじゃない、心だ。

「今此奴らの魔力と記憶をごちゃ混ぜに、あと無駄な奴の記憶は消させて貰った」
「！」

そんなことをしたら、6人が再び会う日は無い。
「お前はそこで見ていろ、私は仕事が有るからな」

そう言って彼奴は席を立つ。
俺は静かに好機を見ていた。

ギィィィ…
錆びた鉄の扉が音を立てて閉まる。

「…はっ！」
俺はその瞬間、両腕に力を込めて鎖をかち割り水晶に手を伸ばした。
…脆過ぎる。彼奴は俺らの力を舐めているんだ。ならまだ勝機は有る！

しかし、水晶に手を翳し現状を把握した俺は絶句した。
すぐ治せると思ったのだ。彼らの記憶の混濁を。

しかしそれはずっと複雑で。

唯一あまり手が施されていなかったのはぶるっくだ。
その時、再び扉の音。

…やばい！せめてこれだけでも…。

ぶるっくの記憶の混濁を全て整理し、目覚める場所をシャークんの近くに。
これで...多分大丈夫だろ。

シャークんの力も抑えられていた事をこの時俺は完全に忘れていた。

「…何やってるんだ」
その声が聞こえるころには、俺は水晶から手を離していた。

「…いや？なんかこの鎖脆くね？…俺が動いた途端に壊れたぞ」

…これで、気づいてくれ。
お前に託した。

…Broooock。