6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ11)

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最弱？否、最強だ。ページ11

…。

～BroooockSide～
くらっと倒れる大蜘蛛。

目の前にはNakamu。

厭々嫌…。
嘘でしょ？！と叫びたくなる声を抑える為、僕はごくりと唾を呑み込む。
「ねむねむボイス」と目の前に居る彼に魔法世界の時に言われた声を出す喉が、大きく動いた。

彼が振り返る。
「さ、行こっか！」

その笑顔だけは、何時も通り爽やかだった。
～5分程前～

「これでいいかな？」
「おお、良いじゃん！…こんな事言うの初めてだ。似合ってるよ？」

Nakamuの肌の焼け具合からは真新しい様に見える白いパンダパーカーを10年ぶりに纏った彼に、シャークんが彼の口調で「似合ってるよ」と手を叩く。

その違和感に、苦笑い。
その自分を含めた光景に自然と、笑顔。

「そうだぶるっく…と、シャークん？」
「？」

「君達、戦闘能力はどれ位？」

此の一言に、僕らは騒然。
いや、君がそれ聞く？

「…僕は結構、自信ある方だよ～？」
「…俺は、一番俺らの中で弱いから」

やっぱりNakamuの記憶と雑ざってるんだな…

「じゃあ、シャーク、ん？だっけ？」
「うん」

「気を付けてね？」
「え？」

「じゃあ、一寸だけTest、しま～す！」
何故テストを英語で言ったんだろう。
僕の方が発音良いし。

でもNakamuの口調が元に戻ってくれただけで。
唯、一つだけ気になるとすれば。
Nakamuの口調が戻ったのが、彼が呪いで倒れ落ちついた後だった事。

「今から猛獣召喚するから、シャークん倒してみて！」
「え...それは…」

「ナシは無し！行くよ～！」

あれ？Nakamu、召喚なんて使えたっけ？
魔法混ざったとしても、シャークんも使えなかった筈...

「「リリース！！」」
…呪文については突っ込まないで。案が無かったらしいよ。

赤色の魔方陣が足元に広がり、中から大蜘蛛がずずずず…とご登場。
そんな、あれは…。
僕の魔法だ。

…
そのあと、シャークんがこういうのも新鮮だけど案の定惨敗し、僕が助けようかな～と思ったらNakamuの魔法が炸裂して今に至る。

「う～ん…これ倒せないんじゃ一寸弱いかなあ...」
彼奴、自分の力批判してるの知らないだろうなあ。

「言っとくけど、君たちが言ってる「アウトランドの王」？を倒すには、この程度じゃ駄目だと思うよ？」

「え…」
そして、僕は次のNakamuの言葉を。
一生忘れないだろう。

「この『緑の国』では、油断したら即死と思った方が良いよ」