6つの色と色彩世界。【ワイテルズ】 (ページ12)

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再び旅へページ12

～BrooooockSide～

「…」

僕等は何も言えなくなった。
油断したら、死？
一体この国はどうなってる？

「ほら、来た…」
「え？」

そのNakamuの言葉に誘われるかの様に、木々を突き破って僕らに刃を向けた大蛇。
…。この光景をこの森に入ってから何回見ただろうか。

「この森は化け物だらけでさ、こんなの序の口だからね...。」

そう語るNakamuの後ろ姿。僕は本当に恐ろしくなった。

「あんなの…」

次の瞬間、彼が大蛇に向かって手を突き出し叫んだ。

「「タイム・ストップ」」

…Nakamu。あのさ。
行き成り驚かすの、もう止めて？

「Nakamu、もう慣れちゃったよ。そういうの。」

シャークんの声と共に、僕の眼前は灰色に染まった。

「…もう君は僕の知ってる君じゃ無いんだね」
僕の呟きと同時に、大蛇は彼の持つダガーによって真っ二つに割れた。

…
夜、森の中。
寝袋を使うのは久し振りだ。

それにNakamuの隣で寝るのも、久し振りだ。

でもその前に。
と、ふと思いついたことが有り僕は2人の見えない所に行くと、今まで使ってこなかったメイスを初めて掲げ呪文を呟いた。

「「リリース」」

そこに僕の魔法が造る赤色の魔法陣は見えない。
僕等の中でこの召喚魔法…。「赤魔法」が使えたのは、僕だけだ。

ちょっと待って...。

僕はもう一度メイスを挙げる。
「「タイム・ストップ」」

…嗚呼、言ってなかったけ。
僕の青魔法は...。
・軽い時間操作
・心理読み取り
・心理操作

の3つ。
だから魔法世界に居た時は、色々隠れて出来たりとかしてたんだけどね。
今、軽い時間操作...簡易版タイムストップを試してるんだけど…。

「嘘…。駄目だ、出来ない…」
僕の呟きが耳にのしかかる。

そして僕は、一つの結論に辿り着いた。
Nakamuの魔法は…。全員の魔法が混ざって、彼に集中してるんだ。

でも...。

「でも、Nakamuの身体がもうこれ以上そんな魔力に耐えられる訳無い…」
なら、彼を救ってあげないと。皆の魔法を取り戻さないと。

僕があの日、彼を恨んで焼き殺そうとした償いだ。