第22話 ページ22
ーNo titleー
雲「あーめさん」
ぽつんと佇む五月雨を村雲が呼んだ。
雲「どうしたの」
雨「いえ、なにも」
雲「…主と桑名のこと?」
彼は露骨に視線を逸らし、マフラーで口元を隠した。
その視線の先には仲良さげに会話する主と友の姿。
雲「あれでもまだ付き合ってないんだって。
好きとは言ったけど、付き合ってくれとは言ってないからってさ」
雨「…私は友と頭にとって…良き…人になれていたでしょうか…」
村雲は五月雨の顔を見て強く抱き締めた。
雲「うん」
雨「私は…私は…」
雲「今は泣きなよ、雨さん」
優しく、優しく、背中を撫でられる。
彼よりも先に自分が主を好きになったのに。
彼よりも主に対する愛が大きいはずだったのに。
だけど、自分は…選ばれなかった。
ずっと片思いでいてくれと、そう願っていた。
私のことを見て。
私を、私を見て。
私を、想って欲しい。
温もりが忘れられなかった。
2人きりの時間も、何もかもが鮮明に残ってる。
痛い。
そうかこれが、失恋か…
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華ヶ崎レオ(プロフ) - 杜さん» ありがとうございます!! 雨さんが失恋した日はきっと大雨が降ったことでしょう… (1月28日 10時) (レス) @page23 id: c0d7bd9e07 (このIDを非表示/違反報告)
杜 - 桑名とのやり取りがとっても尊かったです!! でも、五月雨...うぅ。辛い。 刺さりました。 (1月27日 12時) (レス) @page2 id: 46ddc69a05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2023年11月22日 22時