#4 惚れ薬が故に ページ4
「パス！」
「はいよぉ！」
飛び交うボールを目で追いかけながらため息を吐いた。
体育は1番苦手な分野だ。
勢いの良いボールは痛いし、そこに魔法が絡んでくるともっと厄介だし…
そもそもこんなこと将来になんの役に立つのだろうか。
絶対薬学の方が知識にもなるし、そっちのがいいじゃん。
「弟者くん、かっこいいねぇ」
常に隣にいてくれる友達がポロッとこぼした。
「あんたは惚れ薬で彼氏出来たんでしょ」
「え、うん、まぁ」
「上手くいってよかったね」
「そう、なんだけどさ」
急に友達の顔が曇り始めた。
「最近、思うんだ…
私は彼が好きだけど、彼は惚れ薬の効果で私が好き。
それってほんとに愛し合ってるのかなって…」
「…そういうところも受け入れた上での惚れ薬でしょ」
「分かってるけど、罪悪感というか申し訳ない気持ちが少しずつ強くなってるの」
私はキュッと膝を抱えた。
「同じだよ」
「え？」
「私が弟者くんに向けてる気持ち。
罪悪感と申し訳ない気持ちしかない」
彼の完璧な日常生活に、私という障害を飲み込ませてしまった。
そのせいで変な噂や笑われるようになった。
「飽きるのを待つより、いっその事受け入れてしまえばって思ったけどそんなの最上級魔法使いになるより難しい。
でも私が始めてしまったことだから、私が罪を償わなきゃ…」
試合終了の笛がなり、弟者くんが笑顔でこちらに走ってくる。
「AさんAさん！俺勝ったよ！
見てた？ちゃんと見てた？」
「見てたよ。
凄いねぇ弟者くん」
彼は照れたように頬をかいた。
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逆ハー無理
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2022年6月20日 1時
