【2BRO.】飽きるまで (ページ5)

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惚れ薬が故の悩みはまだある。

「弟者くんに好かれてるってのはあんた？」

移動中話しかけできたのは違うクラスの女の子達。

弟者くんは人気者のため、こんなことはしょっちゅうではないが、悩みといえば悩みだ。

彼が惚れ薬を飲んでいることを知ってるのは私の友達以外居ない。

「マジで意味わかんない。
フツーじゃん」

「なんでー？」

「なんか盛ったんでしょ」

盛ってはいないが盛られてはいる…

「なにもしてないよ」

波風立てぬよう私はなるべく何も言わないようにしているが、否定するとこは否定しておかないと…

「てか、魔法すら使えるか危うい感じ出しといて弟者くんのお気に入りとか笑える」

「それな？
ありえねーってか、そもそもここに入れたのもコネじゃね？」

違う。

ここに通うために、私は両親の反対を押し切って足掻いてきた。

必死に勉強して凡人レベルだから何も言えないけど、努力しなかったわけじゃない。

「それは」

「Aさん」

肩をぽん、と叩かれ、振り返った。

「お友達？」

「弟者くん…」

彼は私の顔を見て察したのか、女の子達に微笑んだ。

「ごめんね、俺らこの後薬学だから早く行かなきゃなんだ。
あと次この子と話したければ、俺を介してくれると助かるなぁ」

見たことの無い冷たい目に、女の子たちはそそくさと消えていった。

「大丈夫？」

「え、うん、ありがとう」

「行こっか」

こういうところは、かっこいい。