#3 魔法について ページ3
魔法学校では杖を使って魔法を使う人もいれば、杖を使わない人もいる。
私は杖を使わないと魔法が使えない。
「うっわぁ、弟者ってほんとにすげぇよな」
教室の後ろから声がして振り返ると、弟者くんが杖を使わないで雪を降らせていた。
弟者くんは杖を使わなくても魔法が使える。
それは魔法使いである第一段階、杖離れを早々にクリアしたということ。
「弟者くん凄いねぇ、この前は悪魔を追い払って表彰されてたし」
「そうだね」
そんな彼が、こんな私に…
そう思うだけで申し訳ない。
「ねねね、Aさん見て、雪だるま!」
彼は無邪気に私に駆け寄り、可愛い雪だるまを見せてくれた。
「可愛いね」
雪だるまに触れると、バサッと崩れてしまった。
「あ、ごめん…
魔法の力が違うから崩れちゃった…」
「大丈夫。
もっと俺が良いやつ作るから」
と、彼は戻って行った。
「健気だねぇ」
「私が惚れ薬なんてものを作らなければ…」
「それは私がお願いしたからで、Aは悪くないよ」
隣に座る友達がフォローしてくれたが、元はこいつのお願いのせいなのでは?
「飽きれば効果は無くなるんだから、待つしかないよ」
「…うん」
崩れた雪だるまにそっと触れると、溶けて消えてしまった。
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作者名:華ヶ崎レオ | 作成日時:2022年6月20日 1時