第15話 ページ15
長い一日が終わり、帰ってきたのは夜だった。
課題も出されたし今回のレポートもまた出された…
3年生はやること少ないんじゃないんですか…？
貴「ただいまー」
篭手「おかえりなさい！！」
ゼーハーで出迎えてくれた篭手切くんの手には何やら冊子が握られている。
篭手「大まかな構成、出来ました！！」
貴「はっや！！」
篭手「1度目を通していただいて、大丈夫ならこれを元に台本や本構成練らせていただきます！！」
貴「わかった、読めばいいんだね」
篭手「お願いします！」
ブブッとポケットのスマホが震えた。
サーヤからの連絡で早速飲み会の仮予定が決まりそうだというものだった。
篭手「かばん、お持ちしますよ」
貴「大丈夫、ありがとうね」
燭台切さんにお弁当のお礼を伝え、部屋に戻った。
バサバサと服を脱ぐが、部屋着に着替える体力がない。
肌寒い部屋で下着姿のまま座り込み、何とかストーブを付けたが体が動かない。
こんなことでへばってたら、先生耐えられないよ…
でも、疲れた…
寒い…
目を閉じ意識が朦朧としてきた時、誰かの呼ぶ声でハッとした。
貴「…誰」
桑「主ー？桑名だよぉ」
貴「桑くん…か」
流石に下着姿はまずいので近くにあった布団を引きずり出し体に巻いた。
貴「…はい」
桑「ご飯出来たよって。
…大丈夫？寝てた？」
貴「ちょっと疲れてるのかも。
すぐ行くから先食べてて」
桑くんは私の姿を見て大きく息を吐いた。
桑「ちゃんと服着ないと風邪ひいちゃうよ」
ドッ！と心臓が大きく打った。
桑「僕で良かったねぇ。
松井だったら鼻血垂らしてるよ」
貴「ちょ」
桑「着替えられないくらい疲れてたなら仕方ないよ。
僕が着せてあげる」
貴「だ、大丈夫！
むしろこんな格好でごめんね？！」
桑「遠慮しないで」
結局押しに負け、桑くんに着替えさせてもらった。
人生で1番と言っていいほど恥ずかしかったかもしれない。
桑「近侍の特権だよね」
貴「もう勘弁して」
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年12月8日 5時
