第13話 ページ13
ーAsideー
友人から送られてきた写真を見て、また大きく息を吐いた。
楽しそうだな…
やっぱり行けばよかったかな。
審神者になってから1年ちょっと経った。
たくさんの刀剣男士に恵まれて、大きな事故や事件もなく過ごせている。
が、友人関係が最近疎かになってしまってる。
貴「それでも友達でいてくれるのはサーヤだけだ…」
周りはみんな付き合いの悪い私から離れていった。
だから彼女の存在がとてもありがたい。
貴「友達も両立出来てないのに恋人なんてムリだよ」
サーヤから送られてくる噂のイケメン2年生くんの隠し撮り。
確かにかっこいいしすごく優しそうだ。
私は当たり障りのない返信をしてスマホを置いた。
貴「はぁ…」
何度目かのため息をついて窓を閉めると、篭手切くんの声が私を呼んだ。
貴「開けていいよ」
そこには篭手切くんの他に松井くんと豊前くんもいた。
貴「どうしたの？
また湯たんぽ作って欲しいの？」
篭手「そうではなくて、主に折り入ってご相談が」
貴「ん？」
3人は私の前に座ると真剣な顔で言った。
篭手「次のすていじ、主も出演してくれませんか？」
貴「え？」
篭手「まだ構成の段階なんですが、主の力が必要なんです」
貴「私が？
そもそも、私なんかが舞台立っちゃっていいの？
女の子なら乱ちゃんとか京極ちゃんとか、似合いそうな子沢山いるのに」
松「主がいいんだよ」
ちょっと待って、と私はパソコンを立ち上げた。
貴「…研修があるな…実習も…
申し訳ないけど、私は」
すると篭手切くんが私の手をギュッと掴んだ。
篭手「無理を承知で主にお願いしたいんです！
私の中ではもう主以外考えられなくて…！
れっすんの調節も、台本も、全部私がやります！
主には無理させませんから！」
そんな真っ直ぐな目をされると逸らせないな…
貴「…ほんとに私でいいの？」
篭手「はい！」
貴「しょーがないな…」
篭手「やった…！
ありがとうございます！」
ほら、こうやって自分の首を締める…
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作者名：華ヶ崎レオ
| 作成日時：2023年12月8日 5時
