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story 13 ページ17

(人2)side


どうしょうもない怒りに狂いそうな中、俺の愛しい人の凛とした声が、
俺の中に溶け込んでいく。


(人1)「『Game over』」


それは、冷たくて残酷で、哀しげで。


愛しくて。



(人2)「『悪夢の支者ポベートール。我の怒りに応え悪夢を創り魅せた物と共に彼等の御霊を永久に封せよ』!!!」


男がもがき苦しみ、動かなくなった。
それと共に俺の中の怒りも少しずつ鎮まっていく。

表通りの賑やかさが聞こえてくる、けどこの空間だけがまるで、
世界から隔離されたかのような異様な静けさを漂わせていた。

そう、静かなのだ。

なのに、いつもと違う異物の雰囲気が俺の体にまとわりつく。


俺はハッ、とそれに気付き、(人1)の方を見た。



見えたのは(人1)の後ろ姿と、金髪の男。
本能がざわつき、俺はすぐに警戒態勢を取る。


(人1)、と呼び寄せようとしようとした。

呼び寄せようと(人1)に伸ばした俺の手は、空を斬った。


「(人1)...っっ」


ナニガオコッテイル?

俺よりも先に(人1)に手を伸ばし、抱き寄せ、
ソイツは俺の愛しい人の名前を呼ぶ。


状況がつかめず、受け入れ難い光景を目の当たりにして動けない俺を他所に、


(人1)「ハ、ウル...ッッ!!!!」


(人1)は、涙を流しながら、
胸から絞りだしてソイツの名前を呼んだ。


悲しそうに。
苦しそうに。
儚げに。




愛しそうに。



抱き合って、求め合う2人はまるで......ッ。

呆然と、立ち尽くしている俺の思考回路はもはや正常に稼働していなくて。
ただただ、泣きながら微笑むアイツを見ているしかなくて。


嫉妬や怒りなど湧かなくて。
ただただ、大切なモノを奪われた虚無感だけが俺を襲って。


苦しくて。愛しくて。何も言えなくて。

胸が痛くて。



ハウル「(人1)!?」


男の声にハッと俺の思考はまあ現実に引き戻された。
どうやら(人1)が気を失ったらしい。

男は狼狽えていたが、気を失っているだけだと解ると俺を見た。


ハウル「...お前は?」

(人2)「人に聞く前に自分から名乗るのが礼儀じゃないのか?」


一瞬、空気が震えた。
コイツの出す魔力の強さにさすがの俺も体の血の気が引くのが感じれた。


男はフム、と考え「確かにそりゃそうだ」と笑顔で俺に名乗った。


ハウル「すまない。俺の名はハウル。(人1)とは旧友なんだ。君は?」


(人2)「...(人2)。(人1)と契約を交わした悪魔だ。」


お互い、もう気がついている。
(人1)を、愛しているということを。

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設定タグ:ハウルの動く城 , 夢小説 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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おもち - これ五年前の作品だったんですね・・・。このご時世で、大変でしょうが更新待ってます。頑張ってください (2021年9月17日 21時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
霜月(プロフ) - 自分のペースで良いので気長に更新待っています!! (2016年11月8日 19時) (レス) id: 549da3aa3d (このIDを非表示/違反報告)
NICO??(プロフ) - 更新頑張ってください!面白すぎる! (2016年9月20日 7時) (レス) id: 071404dfdf (このIDを非表示/違反報告)
瑠那(プロフ) - すごく続き気になります!更新頑張ってください!!! (2015年10月14日 0時) (レス) id: 5a94933866 (このIDを非表示/違反報告)
雛菊(プロフ) - 続きが気になります!!頑張ってください!! (2015年10月9日 23時) (レス) id: 28bac70aa3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るり姉。 | 作者ホームページ:http://slowbutefforts@yuki  
作成日時:2014年11月24日 7時

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