モノクロ ページ19
再度弓矢を構える客人。
「え?なんて組織?」
懲りない科学者は再度フラスコに液体を垂らしていく。客人は苛ついた様子で
「その手を止めへんともう一回撃つで」
と低い声で呟いた。めいろは机からパッと手を離す。
「撃たれるのは嫌だ」
そして両手を顔の横まで上げ、「心外だな」と呟いた。
「何が?」
「私が経済活動をしているだけで『裏切り』と言われることが、だよ。軍曹」
軍曹は苛ついたように足を鳴らした。
「裏切りやろ。おかげで猫犬は重傷やで。兄貴やワシはなんとか避けれたけど」
「あっはー!猫犬食らったの?私の薬品を?面白い!どんなふうになってた?どの薬を浴びたのかな?サキシトキシンかな?シガトキシンかな?リシン?あ、でも『重傷』ってことはまだ生きてるんだよね?じゃあα-ラトロトキシーー」
「うるさい」
再び矢が放たれる音。めいろのすぐ隣の壁に突き刺さり、彼女は目をまん丸にした。
「撃つなんてひどいぞ。私は攻撃手段を持ってないのに」
「何言うてんの。この施設そのものが、めいろさんの攻撃手段やろ」
「ああ…いや、軍曹なら、この施設の罠すら『攻撃』とも思わなさそうだな〜と思って」
「まあね。兄貴は外で黒い羽が生えた少女のロボットに苦戦してるけど」
「ああ…」
めいろは安心したように笑った。目を極限まで細め、何度か頷く。
「効いたようでよかった。あーあ、軍曹の弱みも握っておくべきだったなぁ」
「……」
まるで既に仲間ではないかのような口ぶりに、軍曹は黙り込む。次の矢を構えたまま離さない。めいろは両手を顔の横に上げたまま、「敵じゃないよ。撃たないでよ」と言った。
「敵やないかどうかはこれから決まるんで」
「確かに。…薬についてだけど、組織に売る件に関しては心当たりがありすぎて分からない。私の顧客は世界中にたくさんいる。どの顧客が君らと敵対してるかなんて知らないし、私が売った時点では敵対していなかった可能性もあるでしょう」
「…それで納得するとでも思うん?」
「だろうね。だから私は提案するよ」
「?」
「私に1万ユーロ支払ってくれれば、私は顧客情報を全て提供しよう。君らが敵対している組織が判明すれば、そこには薬を売らないと約束する」
「は?」
「私は好き好んで積極的に、君らの敵対組織に薬を売ってるわけじゃないんだと信じて欲しい。君らに出会う前からお付き合いしている組織だってある」
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めいろ(プロフ) - 天王()以外の第三勢力による作品につきましては「ファンによる二次創作」と称し二次創作タグをつけております。裏天王()が微妙な位置づけのため二次創作とタグ付けしましたが、今回のように誤解を生む可能性を考慮し、二次創作タグを外します。ありがとうございました (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - まるさん» 閲覧&コメントありがとうございます^^身内ネタのため、誤解を与えてしまったようです。当作品は創作でございます。天王()メンバー全員が、自身で作ったキャラクターに自身の名前をつけております。そのためメンバーが作った作品はオリジナルとして出しております。続 (2018年9月26日 3時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月25日 21時) (レス) id: e6f4a54f51 (このIDを非表示/違反報告)
めいろ(プロフ) - 猫犬さん» あ!!重傷の人だ!!!笑ありがとう・:*+.\(( °ω° ))/.:+ (2018年9月23日 23時) (レス) id: 31367e4336 (このIDを非表示/違反報告)
猫犬 - わーい!!!!めっちゃ面白い!続き全裸待機する( ˇωˇ ) (2018年9月22日 19時) (レス) id: 21c60ad337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めいろ | 作成日時:2018年9月17日 4時