【ツイステ】私がいない世界【フロイド】

68話 ページ33

フロイドside





『………ずっと、ずっとこの時を待ってたんです………

…私を思い出してくれて…ありがとう……』





泣きそうな顔で微笑むAを見て、胸がきゅぅっと締め付けられる





ﾌﾛｲﾄﾞ｢…ごめんね…っ……ごめん……オレ、ずっと忘れてて……ねぇ、どうしたらいいの？どうしたら泡にならないの？｣





きっとAも、オレが泡になったみたいに消えてしまう……

やっと会えたのに……そんなの…やだ……。




だけどAは海みたいに優しく笑った。





貴｢……フロイド先輩、私は人間なので泡にはなりませんよ……。｣




ﾌﾛｲﾄﾞ｢……本当に？｣




その事実を確かめるようにぎゅっと強く抱きしめた。




貴｢はいっ…本当ですよ……｣




もう二度と触れることの無いと思っていた熱に瞳の奥がさらに熱くなる





ﾌﾛｲﾄﾞ｢良かった……よかったA。｣





その温もりに1人浸っていると





貴｢……フロイド先輩は馬鹿です……｣




急に怒られた。




ﾌﾛｲﾄﾞ｢はぁ？！｣





だけどその顔はやっぱり泣きそうな顔で、





貴｢私を連れ戻すために自分が消えるなんて……。

本当に……大バカです…。｣





ﾌﾛｲﾄﾞ｢それ言うなら…Aだってほんとバカ……
オレを連れ戻すために自分の存在消して……。
ほんとバカ……。｣




そう言えばAは少しだけ嬉しそうに笑う





貴｢私達同じですね……

お互いがお互いのために自己犠牲を払って、救いあって……。

そんなに思われるなんて、私は幸せです……。｣




ふわりと微笑むAを見て思った。




伝えなきゃ……俺の気持ちを……。



あの時の、答えを。


『"もう一度君に"』

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