照らすために息をしている (ページ3)

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3．透明のリボンでだけ繋いでいてページ3

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彼氏の瑠姫とは大学に入ってから時間が合わなくて、正直うまくいってない。
美容専門学校に進学した瑠姫はバイトと授業と忙しいらしい。

大学と違ってサボったりできないらしく、毎日大変だと電話越しで元気なさそうにしていた。

今日会える?

ごめん、バイト

バイト終わりもだめ?

明日早いから無理かも

電話するから、ごめんね

ベットにスマホを放り投げる。この会話も何回目だろう。

インスタを見ると、店名の書かれたの黒いTシャツを着た自撮りに、バイトだるいと泣いた顔文字がついた自撮りが投稿されていた。

瑠姫はサロモをたまにしてるからなのか、投稿もフォロワーも多い。

最初のうちは人気者と付き合ってるっていう気持ちが少なからずあった。

ただ私の写真は全然載せてくれないのに、
学校の同期とかバイト仲間と楽しそうな写真が上がるたびにもやもやとした気持ちが沸き上がる。

女の子の写真載せないでと言えるほどわがままになれない。

高校の頃、瑠姫はサッカー部で私はマネージャーをしていたから、毎日一緒にいたと言っても過言ではない。

イケメンだなあが第一印象で、
見た目はチャラついてんのに努力家で真面目なところがいいなって思った。

２年の文化祭で告白されたことを思い出す。

日の沈みかけた教室、かっこつけた顔をしているのに耳が真っ赤だった。

こちらこそよろしくお願いしますと言った後の顔いっぱいの笑顔が今でも昨日のことのように感じる。

高校最後の試合で負けた時に隠れて泣いていた顔もよく覚えている。

離れたらだめになるなんて思ってなかったし、離れているというほどの距離じゃないのに、なんだかすごく遠くに感じる。

結局この日瑠姫から電話がかかってくることはなかった。

朝起きたら、「ごめん、寝ちゃった」とラインが届いていた。

怒った顔のうさぎのスタンプと、
いいよと笑っているスタンプを二個連続で送る。

会いたいよーーと書いて送らずに消した。

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