照らすために息をしている (ページ4)

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4．あまくてやわらかくてすぐにさよならページ4

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景瑚と俺たちの友達とAちゃんの友達、3：3くらいでいることが増えた。

次の日曜日、六人で夢の国に行くことになった。
我慢したけどガッツポーズしたくなるくらい嬉しかった。

みんなで全身黒で！と服装も決めた。

早すぎる集合時間なのに
「夢の国久しぶり！」とテンションが高いAちゃん。

「今日めっちゃ元気やん」

「昨日9時に寝たからね！」

「早すぎやろ」

時々スマホを眺めては微妙な顔をしていた。

そんな顔を見かけるたびに、あれ隠れミッキーちゃう？とかそんなことを言っていたら、景瑚に純喜くんうるさいと言われた。

乗り物に乗るたびに景瑚が隣にさせようとしてくる。

ええ加減にして、ばれるやろと睨んだら
何も言わない代わりにふざけた顔で返された。

ジェットコースターで隣に座ったAちゃんは
久しぶりだとドキドキするね！とニコニコしていた。

いつもより少し近い距離、シャンプーの香りがする。
って変態みたいやな。

楽しそうな横顔に好きだという代わりにシャッターを押した。

安全バーを掴む小さい手、大丈夫やでと握る勇気はなかった。

「Aちゃん、耳、前後ろ逆やで」

「え？うそ」

直してあげると、純喜くんありがとうって上目遣いで少し照れたような顔で笑った。

　

帰りの電車に揺られる。

今日はありがとう！楽しかった！とみんなからのメッセージでグループラインが動く。

ほんまに楽しかったと思い出しながらカメラロールを眺める。

全員で撮った集合写真、インスタグラマーみたいにキメた景瑚、ハンバーガーにかじりつくAちゃん、フィルターがかかって変な顔になった写真、ジェットコースターでタイミングが合ってない中途半端なポーズをしているAちゃん。

たくさん歩いたせいで疲れてうとうとと意識が底に沈んでいく。

急にスマホがバイブしだしてびっくりして目が覚めた。

景瑚かよ。

ラインを開くとすごい勢いで写真が流れる。

グループに送られてなかった写真たち。

どの写真もAちゃんのことを見つめていた。

恥ずかしくなるくらい、どう見ても恋をしている顔だった。

遅れて送られてきたツーショットは服装とおそろいの耳があいまって、なんだかすごくいい感じに見える。これは永久保存やな。

「見すぎ」と送られてきたメッセージに「撮りすぎ」と返信した。

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