お人形な私 (ページ6)

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溢れる涙ページ6

鵺野鳴介は毎日毎日話しかけてきた

菜奈ちゃんのように毎日毎日

そのたびにズキリズキリと胸が痛む

また大事にされやがて捨てられるのだと思うとズキリと胸が痛む

結局私は寂しかっただけなのかな？

よくわからない

今日もいつもと同じように鵺野鳴介は笑顔で話しかけてくる

奴が話すのは生徒と何があったかとか妖怪についての話とか
もっと話す話題はないのかと問いたくなるほど毎日同じ話題

「なぁ、まだAは話す気にはならないのか？」

奴は私が動けるのをしっているらしい

だからといって喋れるかどうかはわからないのに
……まぁ、喋れるが

「動いてもいいんだぞ、ずっと同じ体制じゃきついだろ？」

別に。人形になってからは同じ体制でも何処も痒くなったりきつくなったりはしないけど

「まばたきくらいしろよ……」

しなくていいんだからしなくてもいいでしょ、しても意味ないし

段々ドアップになってくる鵺野鳴介

バキッ

…おっと、つい殴っちゃった

近づいてくる鵺野鳴介が悪いよ

「ハハハっ！」

殴ったのに笑う鵺野鳴介

こいつ、Mか？

「やっと動いてくれたな…」

止めろ、そんな目で見るな

慈しむような目で見るな

離れる時が辛くなる

捨てられるときに憎んでしまう

死なれた時に寂しくなる

もう、嫌なんだよ。あんな思いをするのは

溢れる涙

(そっと振り払ってくれたのは貴方)