【QK短編集】君との愛濃度

続き ページ4

渡｢…山本さん？風邪大丈夫ですか？｣

山｢え！？こうちゃん！？どしたの？｣

渡｢風邪って聞いたんで色々買って持ってきたんですけど…ん？室内なのになんで帽子被ってるんですか？｣

山｢あ、ああ！か、風邪で頭が回ってないのかもっ！｣

渡｢帽子脱ぎましょうよ。｣

ああ！！！帽子脱いだら！耳が！

山｢大丈夫だからっ…！色々買ってきてくれてありがとう。助かったよ。｣

僕は帽子を脱がそうとするこうちゃんの手を振り払った。

渡｢…今日の山本さん。なんか冷たいです。風邪のせい？じゃないですよね？何かあったんですか？さすがに俺でも傷つきます…。｣

山｢えっ…と…。｣

説明するかしないか。迷った。他に頼れる人もいない。

こうちゃんに説明することにした。


山｢と、とりあえず中入って？｣

渡｢あ、お邪魔します。｣


山｢実は…朝起きたら、耳としっぽが生えてて。｣

僕は帽子と上着を脱ぎ、しっぽが見えるように軽く後ろを向いた。

渡｢えっ！？嘘！？ホンモノ！？｣

山｢多分本物…感覚あるし…。｣

渡｢…え…触ってみたい…｣

山｢ひゃぁ…！しっぽ、あんまり根元の方触んないで…。｣

渡｢あ…ご、ごめんなさい。｣

山｢…じゃ、じゃなくて！僕は元に戻れるかどうかが心配なの！｣

渡｢あー。えーっと…色々試してみました？｣

山｢試してはないけど、昨日あったこと思い出してて…昨日、お酒飲んだ後に、帰り道に占いをしてる人がいたから、軽い気持ちで占いしてもらったの。その時に、『これを食べたら想いの人ともっと仲良くなれるよ』って言われて、おまんじゅうみたいなの貰って、まぁ信じてなかったから、お腹を満たすためにそのおまんじゅう食べたんだけど…それかな…？｣
渡｢それです。｣

山｢あと、『不思議な事が起こるかもしれないけど、1日すれば解決だからね。』って言われて、聞いた時は理解出来なかったけど、不思議な事って猫の耳としっぽが生えるってこと？｣

渡｢そうだと思います。1日すれば解決ってことは24時間経てば元に戻るってことですよ！｣

山｢ほんとに！？やったぁ！｣

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