【BLEACH】箱入り娘の貴族の子

拾捌 ページ19

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私は、見ていた




旅禍の少年が斬られ、恋次が斬られたのも




ルキアが殺されかけたのも全て何も言わずに




市｢ひゃあ、派手やなぁ…どないしよ？｣




パラパラと落ちてくる石片を器用に片手で払う市丸




私にもひとつも当たっていない




パシッと市丸の腕を掴む者がいた




｢人質を開放して｣




市｢それは出来へんなぁ……すんません藍染隊長、捕まってもた｣




このまま終わるとは思っていなかった




空が割れた




中に見えるのは大虚と言うやつなのだろうか




そして私達が囲まれているのは反膜と言うらしい




もう、戻れない




最早助けを求める事の出来ぬ高さまで上がってしまった




ここならばもう声は届くまい




『市丸……離してくれぬか』




市｢もうちょっと我慢しとき｣




触れるだけの拘束




市丸は優しいな




上に上がりきり割れ目が塞がる




今日も初めてな事が沢山だった




『市丸、降ろしてくれ』




市｢降りたら自分で足場作るんよ？｣



足場など作ったことないぞ




藍｢じゃあ私が運ぼう


ほら、おいで｣




おいで、じゃねぇよ




おい、渡すな市丸！



バタバタと抵抗したがそれは大の大人には虚しく散った




藍染の片腕に収まる小柄な私




無性に腹が立つ




藍｢気に入らなかったかい？｣




『抱き上げぬとも良かろう』





藍｢それもそうだったかもしれないね｣




今から下ろすという選択肢はないのか




市丸に助けを求めるがぷいと視線を逸らされた




東仙に助けを求めるが彼は盲目なのを忘れていた




つまり助けてくれるものはいないということか




ちきしょー巫山戯るな




お前ら降りたら覚えてろよ！



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