【あんスタ】_ 美しい『 彼 』_【男主】

9 ページ9

.









You . side









.









懐かしい夢を見た。


彼との、別れの時。









ー夢ノ咲を、出る…?ー


ー…うんー


ーな、何で…!?そんな急に!!ー


ー凪沙と日和に、声を掛けられたんだよー


ーッAくんまで俺をひとりにするわけぇ…ッ!?ー









あの日の彼は、何処か余裕がなかった。









ーAくんまで、ゆうくんみたいに…!!ー


ー…また、'' ゆうくん '' …?ー









幼い頃以来…彼の目の前で涙を流したのは、その時が初めてだった。

彼の呆然とした顔を見るのも、初めてで。









ー…泉ー









涙に濡れた、ボロボロの笑顔で。
今までで一番醜くて、綺麗な笑顔を。









泉、僕は…ただ。
'' ゆうくん '' じゃない、ただの '' 悠渚 A '' として見て貰いたかった。

それだけで幸せだった。

幸せな、はずだった。









『……ごめん、なさい』









我儘で、ごめんなさい。

彼を、許せればよかった。

許して、受け入れて、…愛することが出来たら。









『隣で、笑っていられたのに。』

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す