奴良と夏目

18話~狐文字~ ページ21

ﾘｸ｢夏目さん｣

放課後いそいそと帰る準備をしていると夏目は奴良リクオに声をかけられた

｢…何｣

ﾘｸ｢あ、いや｣

｢…さようなら｣

ｸﾛ｢いいのか夏目あやつは奴良組じゃないかもしれんぞ｣

ニヤニヤしながら先生が言う

｢先生があいつは奴良組だって言ったんでしょ｣

ｸﾛ｢ふんっ、まあいい｣

｢そういや友人帳がさっきから反応して…あれ？｣

夏目がカバンを開くと見知らぬ本が入っていた。

ｸﾛ｢ふむ、狐文字か…｣

｢え？妖の毒と怪我、その治療法って書いてある…｣

ｸﾛ｢なに!?読めるのか？｣

夏目は古びた本を取り出しスラリと読み上げる

｢てっきり普通の妖の文字だと思ったのだけど…先生は読めないの？狐みたいなものでしょ？｣

ｸﾛ｢ふぅむ…術がかけてあるな…読めん!!｣

｢なんだかよく分からないけど呪いじゃないなら大丈夫でしょ、持っとこ、誰かの大事なものだったら大変だし。

先生狐文字って分かるのに読めないの？｣

夏目はふと思ったことを口にした。

ｸﾛ｢私にもよく分からん、最初の文字や雰囲気で狐文字だと分かるが読もうと思うと読めん｣

｢へぇ…｣
そう言いまたカバンに謎の本を戻す。

｢そういやあの妖が言ってた悪しき気配って本当なのかな…｣

ｸﾛ｢間違ってないだろう、実際に来てるのだから｣
｢は？｣

ｸﾛ｢強力な妖気だ、まぁ気をつけろ｣

夏目は先生のいい加減な物言いに呆れた

｢気をつけろって…｣

次の日夏目は体調崩しましたとさ。
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