OLは愛を返したい/02 ページ44
***
夢主side
「 またか、出雲くん...。最近ミスが多いな。」
「 すみません、気をつけます...、」
これで今日は２回目。
普段は殆どミスをしない私だから課長も多めに見てくれてるけど新人でもないのに流石にそろそろ許されない。
「 ＿＿＿＿.....はぁ。」
こんなの私らしくない、大きな溜息が零れた。
――――――
―――
少し早く上がらせてもらったこともあってか会社を出る頃はまだ日が昇っていた。
今の私にはこの日差しがすごく眩しいように思えた。
「 ＿＿＿＿あ、あの。」
空に意識を向けていた私に話しかけてきたのは赤毛の男の子。
『 君は、＿＿＿＿ 』
――ま〜くん、だっけ。
少しだけ時間が欲しい、という彼に特に予定のなかった私は付き合うことにした。
＊＊＊
『 へぇ、そうなんだっ 』
「 家も近所でよく遊んでたんですよね、」
真緒くん、と名乗るその子は場を和ませるために昔の話――俗に言う世間話というものを聞かせてくれた。
でもまさか凛月にこんな知り合いがいるなんて、眉を下げて微笑む彼は年齢以上に大人びてみえた。
――苦労してるんだろうなぁ、この子。
何となくそんな風に感じてしまった。
『 ＿＿＿凛月くん、元気？ 』
あの日から会っていない彼の名前を出すと真緒くんは苦笑いをするだけだった。
――元気なわけ、ないか。
「 この前はすみません、悪気はなかったと思うんですけど…凛月のやつ感情的になってたから＿＿＿ 」
『 いいのいいのっ、...私のせいだから。』
そんな私の様子を汲み取ってか、彼の体質なのかは分からないけれど彼はこんなことを言った。
「 凛月は俺が何とかしとくんで安心してください、
――今日はそれを伝えに来たんです。」
私がそこまで責任を取らなくていい、そんな風に私を解放しようとしてくれる彼の言葉は優しいはずなのに、――私には関係ないから、と突き放すような言葉にも思えた。
『 でも、...私＿＿＿＿ 』
このまま彼に任せてしまえばいいのに、
心のどこかでちゃんと直接話したい、なんて思う自分もいて。
そんな私の様子を見て彼は私の気持ちを代弁するように口を開いた。
「 ＿＿＿＿気になる、んですよね？ 」
今の思いを表現するには十分すぎる言葉だった。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 490人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rikka(プロフ) - めっちゃ泣きました！！ 凛月が失恋したとしても頑張ろうとするとことか、もうホント成長したなぁ…ってずっと泣いてました。ホントに神作ありがとうございます。これからも頑張ってください！！ (2020年2月13日 23時) (
レス) id: 08b289ca9c (このIDを非表示/違反報告)
シユ*(プロフ) - 松並ゆのさん» コメントありがとうございます！年の差がコンセプトだったのですが初々しさも残したかったのでどう表現しようか悩みました...(笑)それが少しでも伝わってくれたのなら幸いです...！読んでくださりありがとうございました...♪ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 7acbb155e5 (このIDを非表示/違反報告)
シユ*(プロフ) - チョコトーストさん» コメントありがとうございます！分かります...私も最近歳のせいで涙脆くて...。四捨五入したら30代に突入してしまう夢主が聞いてたら睨まれそうです...。(汗)最後までお付き合いくださりありがとうございました...♪ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 7acbb155e5 (このIDを非表示/違反報告)
シユ*(プロフ) - 蟄乃さん» コメントありがとうございます！読んでいただけるだけでも嬉しいのですがその上評価まで...本当にありがとうございました...♪書いてる本人ながら凛月くんに愛されるなんてうらやましい限りですよね...！(変態2) (2018年6月5日 23時) (レス) id: 7acbb155e5 (このIDを非表示/違反報告)
シユ*(プロフ) - ルナさん» 何度もコメントありがとうございました！楽しんでいただけたのなら幸いです...。兄弟ネタは次に出す新作の息抜き程度にと考えていますのでゆったり更新だとは思いますがよろしければお付き合いください...♪ありがとうございました！ (2018年6月5日 23時) (レス) id: 7acbb155e5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：シユ* | 作成日時：2017年10月15日 16時
