044.王の気まぐれ ページ45
Side:泉
あんなに元気がなかったナルくんが笑顔でステージに上がってきた。
どうせあの馬鹿みたいにお人好しなあいつが関係してるんだろうけど。
ちらっと舞台裏を見ればそこにもうあいつの姿はなくて最後まで見ていけばいいのになんて思ったりもしたけどあいつなりに考えがあるんだろうと思った。
ライブの中盤、王さまが口を開いた。
｢すごいよな、あいつ。最後の最後にこんな最高の舞台用意してくれてさっ｣
なんで今言うかなぁ？
相変わらず馬鹿だよねぇ、ほんと。
｢え...？最後って...どういう意味なの？｣
思った通り、ナルくんは動揺する。
｢ちゃんと伝えたか？忘れないうちに！｣
｢....気づいてたんだろ。ほんとはずっとあいつの気持ちに。応えられないのに傍にいさせるなんてナルも酷な事するよな〜！｣
｢アタシは...｣
｢止めたんだ。あいつが傷つく前にやめとけよ、ってさ。それでもあいつはおまえにぶつかっていったんだ。｣
｢.....。｣
さすがに動揺しすぎ、そう思ってフォローしようとしたらくまくんがすかさずナルくんのパートを歌う。
...あいつ。
｢ナル、王さま命令だっ！行ってこい。おまえの気持ち伝えてこい。｣
｢...っ、...でも｣
ほんとにどいつもこいつも自分を後回しにして誰かが手を出してあげなきゃ前に進めないんだからさぁ。
｢あのさぁ、なるくん。あんまり俺たちをナメないでよねぇ。１人ぐらい欠けたってカバーできるの知ってるでしょ。｣
｢もう逃げるなよ、ナル。怖くてもぶつからなきゃダメなんだ。これ、俺がここに来て学んだことっ！｣
｢そう、よねェ。まさか王さまに言われるなんて思ってもみなかったわ。
ふふっ、ありがとう。...いってくるわ。｣
ようやく決心が固まったのかナルくんはタイミングを見計らってステージから降りた。
｢え...？え？！鳴上先輩？！｣
｢ナルはお腹痛いから帰った！｣
｢え？！今LIVE中ですよ？！それに腹痛にしては軽やかなrunningでしたよ？！｣
｢あははっ、細いことは気にするな☆
よーし、おまえら！気合入れていくぞ〜っ！｣
｢ふふっ、仰せのままに...♪｣
｢言われなくてもそのつもりだけどねぇ。｣
｢Leaderが言うなら...最善を尽くします。｣
――俺の3年間の集大成をここで捧げよう。
ファンが俺の名前を呼んだ。
その声援に応えるように俺は再びステージへと戻っていった。
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櫻田たると(プロフ) - 滅茶苦茶泣きました！胸がいっぱいになる素敵なお話でした。終わってほしくないっ！て過去一感じた作品です。嵐ちゃんだいっすきなのでフォーカスを当てて書いてくださりありがとうございますっ (1月29日 2時) (
レス) @page50 id: 3341c19ec1 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - めちゃめちゃ泣きましたありがとうございました(TT) (2022年6月19日 2時) (レス) @page50 id: be4291906f (このIDを非表示/違反報告)
紅狼鬼 - 涙が止まりませんでした。最高に素敵なお話で…knights推しの私にはたまらない話でした (2021年4月13日 7時) (レス) id: 343eec77e7 (このIDを非表示/違反報告)
梓桜 。 - はじめましてこんばんは、嵐,泉が最推しのうち2人になっている嵐ちゃんに好きが溢れて止まらない者です。 とても素敵なお話で泣いても泣いても涙が止まりません…こんな素敵なお話をありがとうございます。 (2020年10月26日 1時) (レス) id: f31cec74f3 (このIDを非表示/違反報告)
魅音 - 夢小説でこんなに泣いたの初めてです。このコメント書いてるときも泣きながらです(笑)こんなに感動できる小説を書いてくださりありがとうございます。 (2020年1月5日 1時) (レス) id: 759e209269 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シユ* | 作成日時：2017年1月9日 2時
