043.君にエール ページ44
名前を呼ぶと嵐の肩が大きく揺れた。
「え、あぁ...大丈夫よ。」
どうして貴方はそうやって無理して笑うんだ。
『もしかして緊張してる?』
違うとは分かっていても聞いてしまう。
「...そう、かもしれないわね。ごめんなさいね、本番はちゃんとやるから心配しなくても大丈夫よォ。」
ごめんね、そんな顔にさせちゃって――
貴方を困らせて――
全部わたしがしたこと。
そう分かっていても欲張りな私はやっぱり貴方に笑っていてほしいと思っちゃうんだ。
『嵐、ちょっとだけ屈める?』
「こ、こうかしら...?」
私よりも背の高い彼は私がお願いすると僅かに姿勢を低くする。
私は彼に手を伸ばした。
「え...?Aちゃん.....?」
困惑した表情をする嵐。
わたしは髪のセットが崩れないようにそっと彼の頭を撫でた。
『嵐がよくね、私の頭を撫でてくれたの。
こうするとなんでか分からないけどすごく落ち着いて.....。』
「Aちゃん.....。」
貴方に頭を撫でてもらうのが好きだった。
貴方の手が、向けてくれる笑顔が温かくて優しくて
でもそれと同時にもどかしくて私だって貴方を助けたいのに、って。
『___今日の嵐はいつも以上にすっごく綺麗でかっこいい。だから、____』
わたしがいなくなっても、ふたりが卒業しても貴方ならKnightsを引っ張っていけるはずだから。
『だから、いつもみたいに笑って、ファンの子たちを虜にしてきてよ。』
ステージで歌うあなたが見たい。
普段の嵐も大好きだったけど、やっぱりアイドルとして輝いてる嵐はそれ以上に好きだってやっとそう思えるようになったんだ。
「んもう...、そんな最後みたいな顔しないでよォ。ありがとう、あなたのおかげで頑張れそうだわァ...♪」
『ふふっ...よかった。』
「あ、そうだわ、ライブが終わったらAちゃんに渡したいものがあるのっ。楽しみにしててちょうだい♪」
『 .......うん、待ってるね。』
その約束は守れないけれど――
「じゃあ、行ってくるわねェ♪」
『____いってらっしゃい、嵐!』
今できる精一杯の笑顔で見送った。
423人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻田たると(プロフ) - 滅茶苦茶泣きました!胸がいっぱいになる素敵なお話でした。終わってほしくないっ!て過去一感じた作品です。嵐ちゃんだいっすきなのでフォーカスを当てて書いてくださりありがとうございますっ (1月29日 2時) (レス) @page50 id: 3341c19ec1 (このIDを非表示/違反報告)
納豆(プロフ) - めちゃめちゃ泣きましたありがとうございました(TT) (2022年6月19日 2時) (レス) @page50 id: be4291906f (このIDを非表示/違反報告)
紅狼鬼 - 涙が止まりませんでした。最高に素敵なお話で…knights推しの私にはたまらない話でした (2021年4月13日 7時) (レス) id: 343eec77e7 (このIDを非表示/違反報告)
梓桜 。 - はじめましてこんばんは、嵐,泉が最推しのうち2人になっている嵐ちゃんに好きが溢れて止まらない者です。 とても素敵なお話で泣いても泣いても涙が止まりません…こんな素敵なお話をありがとうございます。 (2020年10月26日 1時) (レス) id: f31cec74f3 (このIDを非表示/違反報告)
魅音 - 夢小説でこんなに泣いたの初めてです。このコメント書いてるときも泣きながらです(笑)こんなに感動できる小説を書いてくださりありがとうございます。 (2020年1月5日 1時) (レス) id: 759e209269 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:シユ* | 作成日時:2017年1月9日 2時