【MSSP】お隣さんは2歳下【えおえお】

お隣さんの甘い香り。 ページ14

楠木さんこと、Aと仲良くなるのにそう時間はかからなかった。

明日は俺らと彼女がコラボ実況を撮る日。

楽しみか、と聞かれたら楽しみだけど、彼女を誰とも会わせたくないとも思う。

謎の独占欲が働いてるわけですよ。

彼女が引越してきてからもう少しで2ヶ月ぐらい。

あったばっかりの子になぜこんな感情が働くのかわからなくて、もやもやして、とりあえず寝た。

…起きたら次の日だった。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ…

『拓斗さーん??起きて…ないよね。うん。起きてー。約束の時間遅れるよー』

残念ながら起きてます。

「中。入って待ってて。…ｯ!!」

とびらを開けて、彼女に言う。

…心臓が止まるかと思った。

横髪を赤をモチーフにしたアンティーク調のバレッタ…っていうんだけ。で止めていて、春色のワンピースを着ている。

…可愛い。

『拓斗さん??そこつったたれたら私中は入れないよ?』

Aの声でふと、我に返る。俺、今何考えてた…??

「ごめん、どうぞ」

『お邪魔しまーす』

と、俺の横を通り過ぎた彼女からはふんわりと甘い香りがして、思わず顔を顰めた。

「ねぇ、A。それ香水??」

『え??つけてないけど…柔軟剤かな、お母さんが送ってくれたやつ…』

「ふーん…」

香水だって彼女が言ったら、俺はどんな反応をしたんだろう。

きっと、何かをめちゃくちゃに壊してしまっていたと思う。

きっと、俺の本能のままに動いていたと思う。

あいつらに会うためにオシャレなんかしてんじゃねぇよって。

何が根拠かわからないけど、それだけはいい切れた。

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