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カタン、小さな音を立てて音楽準備室に置いてある箱の蓋が開いた。
「ふぁ、ふ......。」と独特の欠伸を１つ溢した彼は 小さく身動ぎをしながら起き上がる。
眠たげな目を擦れば窓から差し込む月光を辿り、月を見上げた。
... 嗚呼、この月を見上げるのはいつぶりだろうか。
ここ最近は彼女が夕方に起こしに来ては家に帰ることを促していたのだ。
如何しても、如何しても！と言うから 引き下がってしまうのはいつも自分だった。
溜め息を吐けば其は透明な夜の空気に飽和して溶けてしまう
色が見える事は無く、ただ感じるだけ。
嗚呼 大切なはなくしてから気付く、よく言ったものだな。
「 今はこの月ですら昔の記憶と重ねてしまう。…本に忌々しいのぅ…。」
ぼそりと声に出して呟けば、脳裏を過るのは あの生意気な皇帝さまの顔
小さく笑い声を上げると棺桶から立ち上がった。
窓際に寄り 冷たいガラスに手を当て、外を覗く
冷たくて何も感じないこの感じが好きだったのだが、 今は何処か寂しく感じる。
静かでどうせ誰もいないこの深夜、見えるものはなかった。
「お主はどうしてあそこまで頑なだったのかのぅ…、天祥院くんや。」
居るはずもない彼に声を掛ければ何処かから物音がして、何かを悟った
扉の方を見て弧を描いた口を開く。
「珍しいこともあるのじゃな。…今は皇帝の統べる昼では無いはずじゃが?」
「ふふ、夜闇を統べる魔王…。その名に恥じない堂々たる態度、素敵だね。...あの返答じゃ物足りなかっただろう？ でも彼女からのお願いで真実を教える事はできないんだ。」
不自然に歪んだ口から紡がれた言葉はとても不快なもので
其れを感情に出さないように挑発的な笑みを浮かべた。
「くく…流石は天祥院くんじゃ。この学院の皇帝と言われるだけあるわい、我輩よりずっと物知りな様じゃの。」
表情を一切変えない彼が不思議だったが、特に気にする事はないだろう 横を通り過ぎて闇に近付く。
「…暫く経っても戻ってこなかったら…凛月、我輩を許しておくれ。」
自らの紅を伏せて妄言を垂れれば 其の儘 夜の静けさと暗さに身を委ねた。
横を通り過ぎた時、彼特有の紅茶の匂いがする事はなかった_____？
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ＭｉｎＴ(プロフ) - 亡命遊愉さん» スノードロップ、私も大好きです〜！！ 読んでいただいてありがとうございました！！(^-^) (2017年5月9日 18時) (
レス) id: 2b0d780a77 (このIDを非表示/違反報告)
亡命遊愉 - わわ！スノードロップでできました！僕スノードロップ大好きなんですよ！花言葉も含め((なのでこの話を読めて良かったです！！ (2017年5月1日 20時) (レス) id: 919f6a6b77 (このIDを非表示/違反報告)
ＭｉｎＴ(プロフ) - 那由他さん» 有難うございます！！凄い不安だったのですが、そう言っていただけて嬉しいです！尊敬だなんてそんな…！！こちらこそ、です！読んでいただいて有難うございました！！ (2017年3月2日 4時) (レス) id: e0406d92ca (このIDを非表示/違反報告)
那由他(プロフ) - 完結おめでとうございます！一ページごとに変わる視点が新鮮でした。謎を含む彼らの行動、そして最後に明かされたスノードロップの花言葉に感嘆するばかりです。描写もとても綺麗で憧れます。これからもみんとさんの作品を応援させてください、長文失礼しました。 (2017年3月2日 2時) (レス) id: 63d609e816 (このIDを非表示/違反報告)
ＭｉｎＴ(プロフ) - すりごまさん» ありがとうございます〜〜！！意味わからないですよね (^-^) 正直解説書いてる時の私が一番 「 ？ 」ってなってました 笑 こちらこそ読んでいただいてありがとうございました！ (2017年2月14日 14時) (レス) id: e0406d92ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ＭｉｎＴ | 作成日時：2017年1月21日 17時
