束 ページ6
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午後８時、星降る丘の上。
時計台の下で君と待ち合わせ。
LINEとか、電話とかじゃなくて。
いちいち私の務めてるレストランに来て、ランチを食べて。それから、会計の時に私の目をしっかりと見据えてした約束だった。
「 7月7日 、あの ” 星降る丘の時計台 ” で、待っとるから。だから、あんな ... ？？ 来て欲しいんよ、 」
もじもじと耳を赤らめて、顔の前で長い指を弄ぶ彼の名前は 「 影片みか 」
某有名アイドルユニットの彼で間違いではない。
そんな彼の通い付けのレストランは此処だ。
割と値段は高い方なのだが、流石アイドル。へらって笑ってお金なんて多めにおいて帰って行く。
... ううん、イケメン。
出会ってもう３年になるけれど、私達の繋がりは相も変わらずこのレストランだけ。
そんな感じなんだけど、なぜか今日私アイドルに呼び出しを食らいました。
なに？クレーム、とか、じゃ、ないよね 。
でも、あの丘を 星降る丘なんて呼び方をするのは現地人だけだし。
夢ノ咲出身の彼だ、家が此処らへんの高層マンションてもおかしくないのかもしれない。
そして私は８時に丘に行く決意をしたのだった。
「 Aッ、さんっ！！ 」
大きな声で私を呼ぶ彼。
この丘に２人以外の人影は見えなかった。
「 あ、すいません 」と声をかけて、走って来た彼と向き合う。
「 あの、綺麗な空やねッ 」
「 そーですねー...。」
ところで、話ってなんだろう。
早く帰って録画したUNDADの特番見て 、
「 おれと、結婚を前提に、付き合って欲しいんよ ... 」
__ なんとなんと。
出会って３年、特に深い関係なわけでもない彼にプロポーズをされました。
目の前に突き付けられた華やかなブーゲンビリアの花束に、なぜか頬が緩んだ。
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