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空 ページ4
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がしゃん。
大きな音を立てた事とかも別に気にせずに私は部屋を後にした。
... むしゃくしゃする。
部屋の中が絵具まみれになってしまっただろうか、使ってたアッシュブルーがアクリルや油絵具じゃないことを願う。
何より絵具入れは壊れてないだろうか、床は汚れてないだろうか。
何を言ったってこの高級防音マンションは賃貸なのだから、綺麗にしていなければ。
「 ッはぁ〜〜...。 」
ベランダに出て煙草に火を当てる。
銘柄はラークのハイブリッド。
口元に残る爽やかな感じが好きだ、後に引きずる重いものは好きじゃない。
そのまま空を眺めてため息１つ。
蒸し暑い夏の夜に口から漏れた息の色は見えなかったけれど、吐き出した煙だけがやけに鮮明に見えて。
空を汚しているみたいで 随分と気分が悪くなった。
「 空を見てれば 、絶対その空の下で繋がってるってわかるやろ ... か。 」
子供の時に誰かに言われた言葉を、なぜか今でも覚えてる。
随分ませた事をいわれたな、私も。
いや、幼心にこんな事を言わせるような態度を取ったのだったか。
特に何も覚えてないけれど、この言葉を胸にするとなぜかいつも泣きそうになる。
煙草の火を消して深呼吸して、空を見上げて見た。
霞んでいた空が、何処か明るくて。澄んで、高く見えたから。
きっと。
「 さ、さっさと片付けと絵の続きしようかなぁ 」
ありがとう、黄色と青のヒーローさん。
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