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「 ここが、ここが先輩の望んだ世界なら。これが、先輩が護った人生ならば。
私は、
” 先輩が幸せな世界で ”
” 幸せになることが、できなかったんです、”
そういう、ことですよね? 」
私が感情のままに心を吐き出せば
英智先輩は真っ白な顔をいつもより青くして、弱々しく首を振った。
力なくその場に座り込んだ英智先輩を見下ろしながら、私は再び口を開く。
「 ちが、う、」
「 違う訳、ないじゃないですか!!私が、私が
こんなに綺麗で美しい貴方を好きになることはなかったのにッ !! 」
英智先輩の瞳からは涙が溢れ出して。
私は何故か抑えきれない自嘲的な言葉と笑みを隠すように下を向いた。
俯いた先にある砂利の上に ぽたり。
汗じゃないナニカがシミを作って。
... 悔しい。
「 綺麗なせんぱいのこと、好きになった私の負けですよね。
何処かの世界線で、愛しあえてたら良いですけど。 」
「 ...... に、逃げよう。僕らだけの、否 。君の理想郷に。 」
「 私の!!! 私の理想郷への鍵は、えいちせんぱい、貴方が壊したんですよ...??
貴方の理想郷への鍵は、
私の理想郷への鍵はッ 、鍵は!!!!
貴方が無残に打ち砕いた星屑です __ 。
壊れて粉々になった鍵に、星屑に。
もうこの世に存在する意味なんて無かった。
星屑は最後まで涙を零しながら空に帰って行きました。
... そこに、愛なんてなかったんです。 」
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本当に、好きになった事を後悔してます。
「 冗談抜きで愛してます。ずっとずっと大好きです。だから、誓いを忘れないで、待っててください。
私は行きます。 いってきます。 」
暫しさようなら、えいちせんぱい。
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MinT(プロフ) - さくやーさん» わわ、閲覧ありがとうございます (^-^) そう言っていただけて何よりです!!! (2017年5月30日 9時) (レス) id: 2b0d780a77 (このIDを非表示/違反報告)
さくやー - 読ませていただきました!!とても面白かったです!英智様最高です! (2017年5月30日 1時) (レス) id: 5ce56128e2 (このIDを非表示/違反報告)
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