サイドストーリー 2ー8 ページ4
※夏目視点
「Aさんが…倒れて…保健室に運ばれたって…さっきKnightsの人たちが…!!」
相当急いできたのか、息を切らしながらなんとか説明するセンパイ。耳を疑った。Aが、倒れた…!?
ボクは本をその場に投げ捨てるように置くと、保健室まで走った。途中、教師に注意も受けたが、そんなこと気にしてる場合じゃない。とにかく、早く彼女の顔が見たかった。
なんでいつモ…守れないノ…
歯が歪みそうなくらい食いしばる。守るって約束したのに。彼女を傷つけた分、今度はちゃんと守りたいのに…。何も変わってない。
保健室の扉を開けると、そこには鳴上クンと、瀬名センパイがいた。
「っ、Aっ…は…?」
息切れを隠す暇もなく質問すると、彼は静かに…と人差し指を立てながら、奥のベッドを指差した。
「レッスンしていたら突然倒れちゃって…。先生は寝不足と貧血だろうって。」
鳴上クンは、話しながらAのいるベッドへと誘導してくれた。
「意識はあったから、とりあえ泉ちゃんと支えてここまで連れてきたんだけど、仕事を続けるって聞かなくて…とりあえず寝なさいって、無理やり横にさせて、今ようやく寝たところなの。」
カーテンを開けると、ベッドの上で静かに寝息を立てるAがいた。1週間ぶりに見る彼女は、顔色が悪く、少しやつれて見えた。
ゆっくり近寄って、彼女の額の前髪を払うと、後ろで瀬名センパイが口を開いた。
「ったく…いくら頑張ってても、体調崩してまで仕事してたら意味ないじゃん。ホント馬鹿なんだから…。」
「泉ちゃん、Aちゃんの寝不足気味なのを前から気にしてたものね。」
「あんなひっどいクマ作ってんだから当たり前でしょ。大きな仕事が来たからって張り切りすぎだっての。」
はぁ…とため息をこぼしながら、瀬名センパイはボクに視線を向けた。
「先生、今こいつの親に連絡入れてて、もうすぐ戻ってくると思うけど、アンタに任せていい?」
「言われなくてもそのつもりだヨ。」
ボクの返事を聞くと、じゃあよろしくと肩をポンと叩かれる。後でこいつの荷物は持ってくるから…と、瀬名センパイは鳴上クンとともに保健室を後にしていった。
彼女の頰に触れる。思ったいたより冷たくて、不安になった。笑っていて欲しいのに…。
どうしていつも…
そう思ったか、口にしたかの瞬間だった。
「宙の…宙のせいです……ごめんなさい…」
振り返ると、目にいっぱい涙を溜めたソラが立っていた。
83人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
minrisyan(プロフ) - 星乃刹那さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!ゆっくり更新ですが、皆さんに夏目くんの魅力が少しでも伝わるように頑張ります!! (2020年3月5日 23時) (レス) id: 8bdb17c1dd (このIDを非表示/違反報告)
星乃刹那(プロフ) - うわぁ、すごい好きです!続き楽しみにしてます! (2020年2月20日 14時) (レス) id: 7c149933cf (このIDを非表示/違反報告)
minrisyan(プロフ) - 一期Loveさん» コメントありがとうございます!私の理想の夏目くんをひたすら書かせて頂いているのですが、気に入って頂けたのなら嬉しいです!今後もまだまだ更新をしていきますので、どうぞよろしくお願いします! (2019年9月5日 20時) (レス) id: 84aad287f8 (このIDを非表示/違反報告)
一期Love(プロフ) - 凄く面白いです!本編の方もすぐに読み切っちゃいました。読み返しては夏目くんいいなーと思わせて頂いています!更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2019年9月5日 3時) (レス) id: 2345a9075e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:minrisyan | 作成日時:2019年9月1日 20時