❇︎とある一線。 ページ15
「げほっ……あなた……な、…いる、…。」
人少ない通りで咳をしながら、苦しそうに蹲っている女。
それを見ると何故かよくわからないが心が痛くなる。
「アンタは。生きたいか?死にたいか…」
「…。…べ、つ…に。」
一回口から血を吐いて途切れ途切れに言う。
普通の人間の心境なんてわからないはずなのに、手が伸びて、小さな体を支えると彼女は口の中に入った血を全て吐き、言った。
「……まん、ぞく、してから、逝きたい……。でも。むり、でしょ…」
生きたい、じゃなくて逝きたい。
その願いは何故か聞き届けようと思ったのだ。
よくわからない愛おしさと共に思った。
「…満足してから逝きたいんだろう。なら、生き延びれるところに。……願いは叶えてやる。」
「…いいの?」
咳が止まってからずっと笑顔の彼女と無表情の俺が窓に映った。
そして重たい口をうごかす。
「いいんだ。叶えようと思ったんだ。…どうする?」
「…なら、兄妹になって?」
「兄妹。」
「そう。兄妹。それなら怪しまれずに、守ってもらえるんでしょう?」
利用しようとする。狡猾なものだ。
でも、悪くないと思うのは…どうしてなんだろうか。
不思議とすっと落ち着くものがあった。
「ああ。苗字を決めようか。」
「ふふ、先に名前。でしょ?……私は奏。奏でるって書いてソウ。」
「そうだな。俺は、閑。閑寂のカン、と書いてシズ、だ。」
苗字を決めなければ。
今月は8月。だから…
「葉月、はどうだ?」
「名前見たい。でも良いんじゃない?…これからよろしくね。お兄。」
「あぁ、こちらこそよろしく。奏。」
不気味で奇妙な、守るべきもの。
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ひなそば(プロフ) - 月見タルトさん» ボードにお邪魔しますね! (2022年2月10日 2時) (レス) id: 4882a2e956 (このIDを非表示/違反報告)
月見タルト(プロフ) - ひなそばさん» コメントありがとうございます〜!こちらこそお願いします〜! (2022年2月10日 2時) (レス) @page5 id: c816f02f84 (このIDを非表示/違反報告)
ひなそば(プロフ) - コメント失礼します。先程お声かけさせていただきました、ひなそばです。是非うちの悠華と関係組みよろしくお願いします。 (2022年2月10日 1時) (レス) id: 4882a2e956 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月見タルト | 作成日時:2022年2月8日 22時