40話 ページ41
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頬杖をついて教室の窓から覗く空は、昨日の面影を残さない快晴。
朝の喧騒を背景に、いつもと変わらず鬱くんと2人言葉を交わす。
「ほんで？あの後は上手くやったんか？」
「うん、何も問題なし」
「そうか、よかったわ。じゃあ、せやなぁ…ジュースでも奢ってや」
「そんなことでいいの？」
求める見返りがささやか過ぎる鬱くんに思わずクスリと笑う。
少し離れたところから私達をすごい形相で見ているトンちゃんにヒラヒラと手を振った。
「あいつもまるで隠す気ないやん」
「トンちゃんはまぁ、正直だから」
自分の欲に正直な私と同じで。
欲に忠実なトンちゃんとそれに身を委ねた私は昨日の夕方、雨が降り止まない公園のベンチで初めて身体を重ねた。
閑散とした公園の中、私たちだけが温度を放っていた。雨に濡れ、重なる唇はどちらのものかもわからなくなるまで溶け合い、本能のまま貪り合った。冷えた身体の熱をお互いで埋めるよう、ずっと抱きしめ合っていた。
まるで、離れていた時間を取り戻すかのように。
幾重にも重なって散らばる首筋と胸元の痣を隠すよう、珍しく第1ボタンまで閉じたシャツを息苦しく撫でる。
朝はいつも通りボタンを2つ開け放っていたのだけれど、隣を歩くトンちゃんが「……それ流石にヤバいよな、閉めーや」なんて言うから、従順な私はそれに従っているのだ。
「ま、けどこれからは堂々と彼女ですって顔できるやん」
「んー…彼女かはわかんないけど」
「ふは、なんやねんその冗談。照れてんの？」
まるで信じていない鬱くんに肩を竦めるも、本当にそれは曖昧に答えるしかなかった。
だって、私たちのこの関係に、恋人ないし彼氏彼女などと明瞭な呼称をつけることは無意味な気がしたから。
一重に男女の交際と一括りにできるほど、単純で純粋な想いではないのだ。
お互いが持つ相手への執着心と欲の深さは、深淵に溺れる私たちの足枷。
昨日身体を重ねた私たちはそこから這い上がることをせず、二人きりのその空間へ一緒に堕ちる事を選んだ。
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ことこ(ドS娘)(プロフ) - ありがとうございます。あなた様のおかげで、ut先生とtntnの魅力に気づきました。 (2020年8月16日 12時) (
レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
豚さん - 今日見つけて一気読みしちゃいました.....面白すぎます多分8回以上は号泣しました....『こっち向いて、先輩』もすっごく見てました!!ドロドロしてるのめっちゃ好きなのでめっちゃ面白かったです、これからもいろいろな小説の更新頑張ってください!!! (2020年6月12日 14時) (レス) id: dc625e2a67 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もう病み具合がちょうど良すぎて登校日なのに徹夜しちゃいました！あまりグロいのに耐性ないんですけど案外普通に読めました！これ読みながらとあるボカロ曲聞いていたら歌詞の意味が違って聞こえましたw (2020年5月26日 6時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
しき - あ、神でした (2020年5月25日 16時) (レス) id: 1586e9f170 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 完結おめでとうございます！いや…いい意味でゾクゾクしました…本当にゆららさんが書く小説どれも大好きなので読んでる時、ドキドキしながら次の更新を待っていました！新作も楽しみにしております…！、！！ (2020年5月25日 11時) (レス) id: 85216316b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年4月25日 0時
