23話 ページ24
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手を引かれるまま着いていき、その末腰を落ち着けたのはいつもの屋上。
苦しかった呼吸も、背中をさする鬱くんの手にいくらか落ち着きを取り戻していた。
後ろ手に扉を閉めた鬱くんは、「今日は派手にやったなぁ」と、ダラダラと血と透明な汁が溢れる腕を見ながら呟いた。
こんなになってたっけ？と、痛みに鈍くなってしまっていた私は傷の深さに比べて頭は冷静だった。
「鬱くん、知ってたんでしょ」
「ん？どれのこと？」
「……まぁ、いいかぁ」
カラッとした空の下、私はごろりと寝転がる。そんな私に鬱くんは、「大変やったわぁ」と笑った。
「なにが？」
「アイツらが繋がっとる証拠取るのと、俺がアイツと仲良くなるの」
「………仲良いの？」
「やめろ、そんな目で見んな。お前のためやぞ」
顔を顰めてそう言った鬱くんは、徐に立ち上がって私に手招きをした。
首を傾げながら後をついていくと、グラウンドを見下ろす鬱くん。
そして、その脇に聳える木の影をそっと指さした。
「うわ…………マジじゃん」
「よう密会してんねんアイツら。あの位置って校舎からは見えへんけど、ちょうど屋上からは見えんねん」
先程まで話していた先生と、それに並ぶ一人の女。
何事かを詰め寄る女に、先生は必死になにか弁解しているようだった。
_____あぁ、滑稽。
歪む口角を隠すことも忘れて煙草に火をつける。柵に頬杖を着き、2人が見える方向に向けて煙を吐き出した。
白いモヤに紛れて、さっさと私の目の前から消えて。
「後はせやなぁ……最後の仕上げはAちゃんにも協力してもらいたいねんけど」
「ふぅん。どんな？」
「タイミングは任せる。トンちと一緒に帰る日、俺に連絡してくれ」
「そんなことでいいの？」
「いい。俺がなんとかするから、任してや」
大きく頷いた鬱くん。
ニッと口角を上げる彼は、ぬるま湯に浸かったままだった私の手をついに引き上げた。
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ことこ(ドS娘)(プロフ) - ありがとうございます。あなた様のおかげで、ut先生とtntnの魅力に気づきました。 (2020年8月16日 12時) (
レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
豚さん - 今日見つけて一気読みしちゃいました.....面白すぎます多分8回以上は号泣しました....『こっち向いて、先輩』もすっごく見てました!!ドロドロしてるのめっちゃ好きなのでめっちゃ面白かったです、これからもいろいろな小説の更新頑張ってください!!! (2020年6月12日 14時) (レス) id: dc625e2a67 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - もう病み具合がちょうど良すぎて登校日なのに徹夜しちゃいました！あまりグロいのに耐性ないんですけど案外普通に読めました！これ読みながらとあるボカロ曲聞いていたら歌詞の意味が違って聞こえましたw (2020年5月26日 6時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
しき - あ、神でした (2020年5月25日 16時) (レス) id: 1586e9f170 (このIDを非表示/違反報告)
かな - 完結おめでとうございます！いや…いい意味でゾクゾクしました…本当にゆららさんが書く小説どれも大好きなので読んでる時、ドキドキしながら次の更新を待っていました！新作も楽しみにしております…！、！！ (2020年5月25日 11時) (レス) id: 85216316b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年4月25日 0時
