5話 ページ6
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時刻はとうに定時を過ぎ、すっかり日が陰った夜の街並みを10階の窓から覗き込めば、私と同じく残業をしているであろう人の部屋の明かりが隣接されたビルにキラキラと輝いていた。
皮肉にも、これが俗に言う夜景と言うやつだけれど。蓋を開ければ私のように醜い嫉妬が生み出した残業によるものかもしれない。
オフィスにはもう誰もおらず、だだっ広いだけのこの空間で私を気にかける人など誰も存在しない。
仕事を辞めたい、なんてそれこそ何度も思った。だけどそれを踏みとどまらせていたのは他でもないゾムくんの存在があったから。彼と一緒にいたい、とかそんな可愛らしい理由ではなく、単純に私がここから居なくなれば彼はまた女性に言い寄られる日々がやってくるだろうから。
こんな私でも一応そのストッパーにはなっているようで、前より幾分マシになったと言っていたゾムくん。だから正直なところ、ゾムくんにはさっさと本命の彼女を作ってもらって私は早くこんな所から抜け出したいのだけれど。なかなか現実そうもいかないようで、私はまだ暫く仕事を押し付けられることになりそう。
はぁ、と椅子にもたれて天を仰ぎ、フラフラとキャスターを転がしていた。
「_______あ、やっぱりAちゃんやったか」
「え………鬱先輩、なんでここに」
突如、私以外帰宅したオフィスの扉がガチャリと開いたかと思えば、姿を現したのは隣の部署の鬱先輩だった。
私の問いかけには答えず、さも当然のように私の隣のデスクの椅子を引いた鬱先輩はそこへ腰かけ、手に持っていたカフェオレを私に投げて寄こした。
「ここまだ電気ついてたから、消し忘れかAちゃんの2択やなと思って」
「ふ、なんですかその2択」
いただきます、とカフェオレのプルタブを引き、1口喉に流し込む。鬱先輩は缶コーヒーを傾けながらええんやで、と笑った。
鬱先輩は、入社したての頃からよく手を焼いてくれた。なにかとご飯に誘われたり飲みに行こうと誘われたりもしていたのだが、ゾムくんとの噂が社内中に広まるとパタリとそれもなくなった。ゾムくんの力はこんな所でも働いていて、私が本命を見つけるならゾムくんの知らない人じゃないとダメなんだな、と思った瞬間でもあった。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…やばい…うわぁぁ…好き…（語彙力皆無） (2021年3月31日 14時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
ことこ(ドS娘)(プロフ) - あーーーーーーーーーーdi先生ーーーーーーー(震え)って現在なってます。うううううう推しはzmさんなのにううううううこんなに私を惑わすなんて……罪ですねっ！！(オールで小説を読んでた馬鹿野郎より) (2020年8月15日 8時) (レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - えぇ、、、無理、、、好きです。もう最高でした！神作品ですね！というかtn落ち多いしzm落ちのこの作品もむっちゃよくてtnzmが最推しな我歓喜 (2020年5月26日 2時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あと1週間はこのお話のエモさを思い出しては悶えると思います。本当に素敵な作品をありがとうございました。次回作も応援しています！長々とｺﾒﾝﾄ失礼しました。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 変わっていく気持ちが、さらにutさんと2人は違うということを強調されていて、報われないutさんに心が苦しいです。でも2人がﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞを迎えられて本当によかったです。zmさんはこのお話の主人公でしたが、utさんこそ間違いなくヒーローだったと思います。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月11日 22時
