4話 ページ5
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入社2年目にして私は先輩達の都合のいいオモチャだった。
入社したての頃、ゾムくんや周りの同期に着いていくのに必死で人一倍せっせと真面目に仕事に取り組んでいた。故に、それに託けた先輩達はそんな私を見て自分の分の仕事まで私に回してくるようになったのだ。
別に、頼まれた時点で断ればよかった。なにか反論してもよかった。
なのに、私の臆病な性格と生真面目さがまとわりつき、どうしてもＮＯと言えなかったのだ。
「Aちゃん、これ…急ぎなんだけど、少しだけお願いできる？」
「……あ、…はい、」
少しだけ、という言葉の範疇を超えているように見えるその書類の束を今日も私は受け取ってしまうのだが、私が仕事を押し付けられるのにはもう1つ別の理由がある。
手渡されたその紙の束を捲っていれば、後ろから刺さる視線。誰のものかは確認せずとも分かるが、ちらりとそこへ目をやれば、
「(お、つ、か、れ)」
「(う、る、さ、い！)」
今日も黙って先輩に使われる私をニヤニヤと見ていたゾムくんは口パクで私を馬鹿にし、それを睨みつけて反論する。
ゾムくんにはわざわざ言わないけれど、女性の先輩が私にこういうことをするのは明らかに逆恨みだった。
社内人気トップのゾムくんと付き合っていて気に入らない。それがこんなどこにでもいる平凡な女なんてますます気にいらない。
おおよそこんな理由で、私はゾムくんと過ごすようになってから迷惑なとばっちりを受けているのだ。
けれど、ゾムくんは少しもそんなことに気がついていない。実際のところ、私に仕事を押し付ける人の中には単純に面倒だからという理由の男性の先輩だっているし、もう、本当にただの雑用係だった。
今日も昼休憩を自分のデスクで過ごす私を遠巻きに眺めて去っていく先輩達。今日の帰宅は何時になるやら、と職場にいることも意に介さずため息が出そうになり、サンドイッチと一緒に喉奥へ流し込んだ。
「今日もえげついな」
「んー…、」
パタパタとキーボードを叩く私を隣で眺めてはいるものの、手助けはしてくれないゾムくん。これがもし本当の彼氏だったとするならば、書類に溺れる私を少しくらい助けてくれていただろうけど。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…やばい…うわぁぁ…好き…（語彙力皆無） (2021年3月31日 14時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
ことこ(ドS娘)(プロフ) - あーーーーーーーーーーdi先生ーーーーーーー(震え)って現在なってます。うううううう推しはzmさんなのにううううううこんなに私を惑わすなんて……罪ですねっ！！(オールで小説を読んでた馬鹿野郎より) (2020年8月15日 8時) (レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - えぇ、、、無理、、、好きです。もう最高でした！神作品ですね！というかtn落ち多いしzm落ちのこの作品もむっちゃよくてtnzmが最推しな我歓喜 (2020年5月26日 2時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あと1週間はこのお話のエモさを思い出しては悶えると思います。本当に素敵な作品をありがとうございました。次回作も応援しています！長々とｺﾒﾝﾄ失礼しました。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 変わっていく気持ちが、さらにutさんと2人は違うということを強調されていて、報われないutさんに心が苦しいです。でも2人がﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞを迎えられて本当によかったです。zmさんはこのお話の主人公でしたが、utさんこそ間違いなくヒーローだったと思います。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月11日 22時
