38話 ページ39
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また後で、なんてタチの悪い社交辞令の一環かと思っていたのに、お昼に行こうとしていた私を先程の先輩は本当に引き止めた。
「………、なんですか？」
「さっきの続き。朝は邪魔されちゃったね｣
みんなお昼に出払って閑散とした廊下の端で、この先輩は私と立ち話をする気満々らしい。
邪魔された、と言ったが、それは話の途中でゾムくんが私に話しかけた事を言っているのだろうか。
…ゾムくんも、集計した資料なら昨日渡したはずなのに。
先輩が去った後、「すまん、勘違いやったわ」なんてまるで抑揚のない声で言うから、もしかしたら私が困っていたことに気づいて助け舟を出してくれたのかも？なんて願望混じりの予想を立ててみるのだった。
「で、どう？行かない？2人で」
「いや…何言ってるんですか、」
しかも、2人で？とますます意味のわからない提案に思わず怪訝な顔を隠せない私。
男の人って、フリーの女に対してこうもしつこく誘うものなの？と普段ゾムくんがいた事によりそれらを体感したことの無かった私は困惑していた。
性別は違えど、女性に言い寄られるゾムくんもこんな感じだったのかな、と頭の片隅で少し考え、そう言えば私がいなくなったらゾムくんはその穴を埋める代役をどうするのだろう、と全く関係のない心配が頭を過ぎり慌てて思考を引き戻す。
とはいえ。
よく知らない、ましてやいつも私に対する扱いも最悪なこの先輩と仕事後に二人きりで過ごす気など私には毛頭無く、適当に断ろうと顔を上げ、謎に自信満々なその顔を睨む。
「お誘い有難いですけど……遠慮しときます｣
「なんで？何か問題ある？」
いやいや問題だらけでしょ、と言えはしないが、そう思った通りの顔を向ければ、意味がわからないとでも言いたげな顔で見つめ返され、私は困惑。
なぜ？この自信はどこから湧いてくるわけ？
どう言えば諦めてくれるのだろうと次の断り文句を頭で構築していれば、不意に耳に「あれ？ナンパ？」なんてヘラりとした声が飛んでくる。
「へ、鬱先輩……」
「なにしとんの？困っとーやん、Aちゃん｣
「え？いや…彼氏と別れたみたいだったから…｣
「残念、Aちゃん好きなやつおんねん。お前と飲んどる場合ちゃうねんてさ」
え？と思わず鬱先輩に顔を向ければ、「いいから」と目で諭され口を噤む。
鬱先輩のそんな言葉に「あ、へぇ…そう、」なんて曖昧な言葉を残し、その先輩はいともあっさりすごすごと退散していった。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…やばい…うわぁぁ…好き…（語彙力皆無） (2021年3月31日 14時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
ことこ(ドS娘)(プロフ) - あーーーーーーーーーーdi先生ーーーーーーー(震え)って現在なってます。うううううう推しはzmさんなのにううううううこんなに私を惑わすなんて……罪ですねっ！！(オールで小説を読んでた馬鹿野郎より) (2020年8月15日 8時) (レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - えぇ、、、無理、、、好きです。もう最高でした！神作品ですね！というかtn落ち多いしzm落ちのこの作品もむっちゃよくてtnzmが最推しな我歓喜 (2020年5月26日 2時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あと1週間はこのお話のエモさを思い出しては悶えると思います。本当に素敵な作品をありがとうございました。次回作も応援しています！長々とｺﾒﾝﾄ失礼しました。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 変わっていく気持ちが、さらにutさんと2人は違うということを強調されていて、報われないutさんに心が苦しいです。でも2人がﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞを迎えられて本当によかったです。zmさんはこのお話の主人公でしたが、utさんこそ間違いなくヒーローだったと思います。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月11日 22時
