12話 ページ13
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『ゾムは本当に、Aちゃんが好きなん？』
というお昼の鬱先輩の言葉が頭をよぎった時、私に覆い被さるゾムくんが「何考えてんの？」と珍しく最中に声をかけた。
皮肉にもお互い一糸まとわぬ姿の時ににそんなことを思い出してしまい、冷えた心に更に隙間風が吹き込んだ気がした。
「何も」と冷えた声で呟けば一層強く身体を揺すぶられ、ゾムくんて意外とそういうこと気にする人なんだな、とまた要らぬことを考えた。
ポタリと上から垂れる汗も、苦しそうに吐き出す欲も、時折絡む視線も、この体温も、全て偽りのものなのに。
「………A、」
どうして、どうして。
私はこんなにも、彼から離れられないのだろう。
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事が済んでも、珍しくお互いベッドの中にいた。ただ、背は向けたまま。
私はただぼうっと今日鬱先輩に告げられた色々な言葉を頭の中で反芻させていたのだけれど、背中に感じるゾムくんの気配は私に何か言いたげな空気を醸し出していた。
「ゾムくん」
「……ん、なに？」
「寝てた？」
「寝てへんわ」
不機嫌そうにクルッと体制を変え、私に向き直ったゾムくん。首だけそちらに向けていた私もそれに合わせて身体ごとゾムくんを振り返った。
ベッドの上で見つめ合うこととか、下手したら初めてなんじゃないか。
最早数え切れないくらい身体を重ねているというのに、そんな些細なことすら私たちはしていないのだ。
無意識に目を伏せた私にゾムくんは「あのさ」とまたしても不機嫌に声をかけた。
「お前、今日煙草臭いねんけど。それ誰の臭い？」
指摘され髪を鼻にあてがえば、確かにほんのりと香る燻した臭い。嫌煙家であるらしいゾムくんは、この微細な臭いすらも気になったらしい。
「ごめん……気をつける」
「いや、そんなんええねん。誰の臭い？って聞いてんねんけど」
「誰の……って、」
まるで、煙草そのものよりそれを私の近くで吸っていた人を責めるようなその言い方に疑問を覚えるも、臭いの元は今日私の横で吸っていた鬱先輩しか思い当たらないわけで。
「多分、鬱先輩の、」
「……はぁ、また大先生？」
途端、顔を顰めたゾムくんの顔色を恐る恐る伺う。
そう言えば前も鬱先輩と一緒にいたことを知った時、ゾムくんは不機嫌そうな顔をしていたっけ。
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ぴざる2号(プロフ) - 泣いた…やばい…うわぁぁ…好き…（語彙力皆無） (2021年3月31日 14時) (
レス) id: fa56edbecd (このIDを非表示/違反報告)
ことこ(ドS娘)(プロフ) - あーーーーーーーーーーdi先生ーーーーーーー(震え)って現在なってます。うううううう推しはzmさんなのにううううううこんなに私を惑わすなんて……罪ですねっ！！(オールで小説を読んでた馬鹿野郎より) (2020年8月15日 8時) (レス) id: 0a70119f62 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - えぇ、、、無理、、、好きです。もう最高でした！神作品ですね！というかtn落ち多いしzm落ちのこの作品もむっちゃよくてtnzmが最推しな我歓喜 (2020年5月26日 2時) (レス) id: d1841ceef2 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - あと1週間はこのお話のエモさを思い出しては悶えると思います。本当に素敵な作品をありがとうございました。次回作も応援しています！長々とｺﾒﾝﾄ失礼しました。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 変わっていく気持ちが、さらにutさんと2人は違うということを強調されていて、報われないutさんに心が苦しいです。でも2人がﾊｯﾋﾟｰｴﾝﾄﾞを迎えられて本当によかったです。zmさんはこのお話の主人公でしたが、utさんこそ間違いなくヒーローだったと思います。 (2020年3月6日 9時) (レス) id: e6da1803b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆらら
| 作成日時：2020年2月11日 22時
