「某日手芸部にて/第三話」 ページ4
僕は言われた通りお師さんの元へ行くと、お師さんはうむ。と言って慣れた所作でかげくんからナプキンを受け取り、僕の口を拭った。
「お師さんとA兄ィは仲良しさんやなぁ、俺まで幸せな気持ちになるわぁ」
「ふん、そうだとも。美波と僕、そして仁兎は長い間共に歩んできたパートナーだからねッ！」
得意げな表情をするお師さんに、さすがやなぁと屈託のない笑顔を見せていた彼は、暫くしてほんの少し顔を曇らせた。
「んあー…。なずな兄ィは今日も遅いなぁ、そろそろ来ると思うんやけど。」
その言葉に僕も手芸部の出入り口扉に視線を移す。
「んぁっ、A兄ィも気になるん？A兄ィとなずな兄ィも仲良しさんやもんなぁ。んぇ？どしたん俺の裾を引っ張って、もしかして俺とも仲良しって言いたいん？んあ〜！嬉しいわぁおおきに！俺もA兄ィのこと大好きやでぇ〜あ、紅茶おかわりいる？今日はいつもより上手く淹れられたんよ〜」
かげくんが立ち上がって僕の周りをぴょんぴょん飛び跳ねる。年下とはいえ僕より身長の高いかげくんが無邪気に飛び跳ねている様子はなんだか可笑しかった。そしてきっとこの後いつもみたいにお師さんが……。
「ノンッ、影片！飛び跳ねるなといつも言っているだろう！大体君は……」
「あっ、A兄ィが笑ったで！！」
「えっ、見逃した！影片が飛び跳ねて僕の視界を遮るからッ、何てことをしてくれるんだい！責任をとりたまえ、この出来損ないが……！」
急に注目を浴びて驚いてしまった。
「美波！ほんとに笑ったのかね、僕にも見せたまえ！この腐敗した世界を浄化してくれる、君の美しい笑顔を……♪」
「あぁっ、またもとの無表情に戻っている！！このっ、影片！！1度ならず2度までも！！」
お師さんが勢いよく僕の肩を掴んで顔を覗き込んできたあと、キッとかげくんを睨みつける。
「2度って、お師さんまだなずな兄ィのときの引き摺ってるん？！んあーもう堪忍して〜！」
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みん。(プロフ) - 朱憑（さぶ）さん» コメント下さりありがとうございます！！好き、何周もしているとのこと、感無量でございます！！！そして御指摘の通り仁兎です！ハチャメチャに誤字しておりました！すぐに修正しました気づいてお教えて下さりありがとうございます！！！ (2023年2月21日 0時) (
レス) id: febc79156f (このIDを非表示/違反報告)
朱憑（さぶ） - この作品好き過ぎて何周もしています笑 ところでなのですが…なずな君の苗字。二兎ではなく仁兎だと思います…！ (2023年2月19日 16時) (レス) @page14 id: 369ab47d46 (このIDを非表示/違反報告)
みん。(プロフ) - おかゆさん» コメント下さりありがとうございます！この作品がおかゆ様の目に止まったこと、そしてページを開いてお読み下さったこと、嬉しい気持ちと感謝で今胸が満たされております！おかゆ様の心にジャストミートできて良かったです！！ (2022年12月27日 23時) (レス) id: febc79156f (このIDを非表示/違反報告)
おかゆ(プロフ) - Valkyrieの作品を探していたらたまたま見つけ読んでみました。雰囲気などがドストライクでした。好きです。これからも更新頑張って下さい。 (2022年12月27日 22時) (レス) id: 4ef80cb4cb (このIDを非表示/違反報告)
みん。(プロフ) - 百華夜さん» ぬわぁー！まさかコメントを戴けるとは思っておりませんでした！！お読みいただきありがとうございます、そして励ましのお言葉心から感謝致します！！ (2022年12月27日 16時) (レス) id: febc79156f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みん。 | 作成日時：2022年11月24日 1時
