【男主】疲れるくらい愛されてます。 (ページ11)

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雑誌を見た福本ページ11

福本side

佐野「Aくん！今ちょっといいっすか」

『うん、ええでー。ちょっとだけ待っててな。

…終わった！今そっち行くー』

最近、晶哉とAの距離がやたらと近い。

前から仲良かったけど、最近は2人だけで会話する様子を頻繁に見掛けるようになった。

これまでは“メンバーとして、先輩・後輩として仲良くする”というような距離感だったのに、
前と比べたらAはめちゃめちゃニコニコしてるし、晶哉は逆に少し落ち着いていて、なのに楽しそうで。

晶哉に駆け寄るAを見て、今日も5人で顔を見合わせる。

中でも、こじけんの動揺っぷりは群を抜いていた。

正門「最年少組はほんまにどこでも元気やなあ」

福本「2人だけの世界作りすぎやねん、あいつら」

小島「もう悲しいわあ、仲間外れやん」

リチャ「晶哉がペットでAが飼い主って感じやったのに、今なんか逆転してるよな」

末澤「Aがあそこまで後輩に甘えてるん初めて見たわ…先輩ならではの特権なのに」

誠也くんが言うように、Aは後輩の前じゃめちゃめちゃ格好つけて先輩したがるのに、先輩の前じゃ一気に子供になる。

ただ、俺は別。

『大晴くん肌白いしお目目ぱっちりやし、女の子みたいで可愛いですよね。

俺、大晴くんの顔ずっと見てられますわー…』

といった理由で、Aは敬語で話すこと以外は俺を後輩のように扱う。

今までは「他のメンバーとは違う扱い方をされてる」という点でまったく不満が無かったが、Aが晶哉に可愛がられるようになってからは「俺やってAの違う顔見たい」と思うようになった。

なのに、最近のAはメンバーと楽屋におってもパソコンかノートとにらめっこ。

他のメンバーと話しても、いつだって「学校が忙しいんかな」という結論にしかならなかったけど、晶哉にはやたらと絡みに行ってて。

なんなん…と思いながら、Aのソロインタビューが載った雑誌のデジタル版を開く。

Aは“互いに甘え合う”のが理想らしい。
俺やってそろそろ、他のメンバーに負けへんくらいAのことでろでろに甘やかしたってええよな…？

そう思った日からAに話しかけても、楽しいことは楽しいんやけど、思ったような結果が出ない。

いつも“頭脳派”って言っていただくのに、ここで手も足も出ないのがなんだか恥ずかしい。

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