story29 ページ32
征十郎が電話した数十分後には、皆材料を持って来てくれて。
あぁ、私はなんて素晴らしい友人を持ったんだろう、と思うとまた涙が出てきて、皆を焦らせてしまった。
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食べて、話して、騒いで、泣いて、笑って。
貴「あっつい…」
黒「…Aさん」
火照った体を覚まそうとベランダに出ると、そこにはテツヤがいて。
二人で話すのはなんだか気まずくて、あまり接していなかったけど、そういえばテツヤには凄い迷惑をかけっぱなしだった。
まずその事を謝らないと。
貴「テ、ツ。さっきはごめんね。家まで送ってくれてありがとう。
胸を貸してくれてありがとう。
…それから昨日は、置いて行っちゃってごめん」
置いて行っちゃって、て言うか黄瀬くんに引っ張られたからなんだけど。
テツヤは驚いたように少しだけ目を見開いた後、目を伏せてベランダの柵にもたれかかった。
黒「…Aさん。僕は君の事が好きです」
貴「…うん」
黒「黄瀬くんなんかよりずっと幸せに出来る自信がある」
貴「…うん」
黒「君の辛そうな顔を見るのは本当に嫌なんです」
貴「…」
黒「中学に入学してすぐ、貴方の事を好きになりました」
黒「…七年近く、ずっと貴方を見てきた」
うん、と頷くとテツヤは息を飲み込み、私に向き返る。
黒「だから、気付いてしまうんです」
_________貴方が本当に黄瀬くんの事が好きなんだと。
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うん、と頷く私の涙を拭って、目尻にキスをされる。
黒「泣かないでください…やっぱり、貴方の泣き顔は見たくない」
前言ったことと矛盾してるよ、と笑うと、あぁ、やっぱりAさんは笑顔がよく似合う、と答えにならない答えをもらった。
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まこ(プロフ) - 面白かったぁー!黄瀬くん大好き! (2015年4月13日 23時) (レス) id: e16da1368c (このIDを非表示/違反報告)
氷室辰也ファンクラブ会長 - 続きが楽しみです〜 (2015年4月5日 9時) (携帯から) (レス) id: a1dccddbfa (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - 切ない…(涙)最後、みんな幸せになってほしいです。 (2015年4月2日 20時) (携帯から) (レス) id: 5893ca365b (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すっごく切ないです。涙がボロボロ出てきます。 (2015年3月31日 4時) (レス) id: a2162d4b3c (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 切なすぎて泣けます(´;ω;`) (2015年3月30日 1時) (レス) id: 87383982e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遙 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/haruna0325
作成日時:2014年11月8日 20時