story27 ページ30
あの後、家まで送ってくれたテツヤは「ゆっくり休んでください。さっきの返事は結構です」と言い残し、帰って行った。
私はただ一人座り込んでいて。
黄瀬くんに言われたこと、あの人に言われたこと、いつかの女の人達に言われたこと、そして自分の気持ちがぐるぐると頭を駆け回って、涙になって零れ落ちる。
思えば、黄瀬くんの女遊びが始まった当初は毎日のように泣きじゃくっていたけど、途中からは涙を封印していた。
他の人に心配をかけたくなくて。
黄瀬くんにうざがられたくなくて。
嫉妬して、束縛してしまえば、嫌われてしまうから。
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何か、気の紛れる事をしよう、と立ち上がる。
黄瀬くんのことも、テツヤのことも、できれば今は何も考えたくなかった。
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ピンポーン、と玄関のベルがなる。
泣き腫らした顔を誰にも見せたくなくて、申し訳ないな、と思いながら居留守することを決意した瞬間。
ガチャリとドアが開く音がする。
うえぇぇぇぇぇまさか強盗!?
え、どうしよ、何で鍵かけてないの私!!
何か武器になるもの…とわたわたしてると、背後からオイ、と声がかかる。
ごめんなさいごめんなさいうちにお金はありませんどうか命だけは…とおそるおそる振り向くと、見慣れた赤色の髪の毛。
貴「せぇじゅうろぉぉぉぉ…!!!」
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まこ(プロフ) - 面白かったぁー!黄瀬くん大好き! (2015年4月13日 23時) (レス) id: e16da1368c (このIDを非表示/違反報告)
氷室辰也ファンクラブ会長 - 続きが楽しみです〜 (2015年4月5日 9時) (携帯から) (レス) id: a1dccddbfa (このIDを非表示/違反報告)
こっちゃん(プロフ) - 切ない…(涙)最後、みんな幸せになってほしいです。 (2015年4月2日 20時) (携帯から) (レス) id: 5893ca365b (このIDを非表示/違反報告)
マカロン - すっごく切ないです。涙がボロボロ出てきます。 (2015年3月31日 4時) (レス) id: a2162d4b3c (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 切なすぎて泣けます(´;ω;`) (2015年3月30日 1時) (レス) id: 87383982e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遙 | 作者ホームページ:http://commu.nosv.org/p/haruna0325
作成日時:2014年11月8日 20時