＊最 低 彼 氏＊【黄瀬涼太】

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朝、近くの公園の待ち合わせ場所へ行く。




まだ来ていない黄瀬くんをベンチに座って待つ。

卒業まで後数週間を切り、その準備のために学校へ行かなけばいけない。






黄「ごめんA。待った？」


貴「ううん、待ってないよ。

行こうか」




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昨日のテレビが面白かった、とか

モデルの仕事が増えて大変だ、とか

早く大学行きたいね、とかたわいもない話をしながら通学路を歩く。



手は繋がない。

距離も必要以上に近くない。



ただ、一緒に歩くだけ。





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「あー！涼太だぁ！！おはよお！」



少し後ろを歩いてた女の子が小走りで駆け寄ってくる。




そして私を一睨みして黄瀬くんの腕を取る。



「ねぇ涼太、今日学校終わったら遊び行こうよ。」


黄「イイッスよ。」

にこり、と笑顔を浮かべ、女の子と歩く黄瀬くん。






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私は歩く速度を落として、無意識にマフラーで口元を覆う。


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吹き抜ける風の冷たさが、やけに身に滲みた。

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