みにまむ ４０ ページ41
「私を傷つけた君は悪だよ！！異論はないでしょー！！？」
覚醒したのか、Aの髪はくすみのない金糸雀になった。
Aの家族に黒髪の人間なんていなかったから、普段の髪は覚醒遺伝なのだろうか。
目もどす黒く、怒りや狂気が渦巻いていた。
…ってヤバイヤバイヤバイ！！！！俺このままだったら殺されるんじゃないか…！！？
「童話！！！なにがあったかしらねーけど周りに迷惑かけてんじゃねーよ！」
今日は珍しく遅くまで教室で勉強していた爆豪が止めに入る…が、
「なんでー！？どーしてぇー！！？私は電気君にすっごいめーわくかけられたのにぃ！？」
やはりトチ狂っているAには何を言っても聞かない。
「Aちゃん！！私たちこのままじゃ死んでまう！落ち着いてくれへん！？」
麗日は机や椅子を浮かして視界を遮ろうとするが、Aの個性で小さくされてしまう。
「おい！！なにやってるんだ！！！」
教室のドアをガラッと開けて勢いよく入ってきたのは、相澤先生だった。
「せ、先生！！Aがいきなり暴れ始めて…！！」
「…精神的な何かか…っ！！とりあえず残ってるやつらは教室を出て教師を呼んで来い！」
数人しか残っていなかった教室なので、逃げ出すのに時間はかからなかった。
でも、あの状態のヒトはいくら個性を封じたって意味はない…と思う。
「おいアホ面！お前なんか怒らせたのか！？」
「もはや人間の動きじゃなかったもん…なんかあったんよね」
「あの大人しい有栖があそこまで暴れるとはな…」
がしゃんという窓が割れる音や、黒板が傷つけられる音が鮮明に聞こえてくる。
「せんせぇ邪魔だよ！そこにいられたら電気君に会えないじゃなぁーい！！！！」
今にも俺を殺しにきそうな声が背後で聞こえる。
本当にアイツはAか…？
原因になったあの日でもここまで発狂してはいなかった。
「有…栖……ッ！！！！」
扉を巻き込んで相澤先生が廊下に飛び出してきた。どうやら吹き飛ばされたみたいだ。
「電気君、みぃいいいいいいいいっけええええ」
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年10月9日 8時
