【ＭＨＡ】朝、目が覚めたら部屋でヒーロー科が居候してたんだが【上鳴電気】 (ページ39)

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みにまむ　３８ページ39

多分、Aの記憶が無くなったのはこの事件があったからだろう。

「おい…俺が有栖のこと好きなの知ってるよなぁ？」

俺はヤンキーみたいなヤツに、体育館裏に呼び出されていた。

当時は怖かったこのヤンキーも、雄英に入ってからは爆発さん太郎という優等生がいるからな。

思い出の中では微妙に怖いランキング一位だ。

「は？…い、いやしらねーし、俺初めてお前と話したし」

「まーいいんだよ。俺的には上鳴、お前が気にくわねぇ」

そんなこと言われてもわかんねーよ、頭悪いんじゃねーの？

「と言う訳でさよならだ、永遠にな」

「中二病じゃねーかよ…って待て！」

明らかに体格違いのヤンキー気どりが拳を振りかざす。

「あああああああああああだから犯罪だってばか！！」

個性を使うが、ぶっ放すと頭が死ぬ俺には加減が難しい。今も昔もだ。

もうだめだ

俺は死ぬんだ

こんな中二病の馬鹿に

殺されるんだ

そう覚悟した瞬間、辺りの空気がガラっと変わる。

それは紛れもない【殺意】だった。

「いじめ…？ヒーロー志望が見逃しちゃだめだよねぇ！！！？」

聞き慣れた声が耳に響く。

振り向いて見えたのは狂気に目を染めたAだった。

「きみっ！！ねえ戦おう！！？敵だもんねー！！！！！」

人間とは思えないくらい口をにぃいいいいっと横に伸ばしてヤンキーに殴りかかる。

「あ……有…栖……」

この反応をするのにも理解できる。

だって、惚れてた相手が殺意剥き出しにして自分を殺そうとしているのだから。

「だって電気君を殺そうとしたんでしょおー！！？だめだよー！悪は正義がやっつけないとね！」

Aは後ろにあった体育館を一瞬にして巨大化させる。

こんなの、絶対小学生には出来ない技だ。

それくらいキレてるんだろう、俺の為に。

「Aっ！！俺は大丈夫だって！現にこうしてピンピンしてんだろ！！？」

「悪は抹殺するんだよ！！私と電気君の敵なんだもん！！そう思うよねええええ！？？」

そこに建っていた電柱

手入れをされていない雑草

そこらへんに落ちている小石

餌を探していたアリ

それらすべてを巨大化させるA。

俺には地獄絵図にしか見えなかった。