みにまむ ３７ ページ38
「電気君、今日日直でしょ？黒板消さないと」
「おお、そうだった！Aあんがと」
Aはこの頃、俺の背を抜かしていた。それと同時にどんどん心も大人になっていった。
「うわ、次算数だよ…私苦手なんだよね」
「テスト９０点で苦手って言えるお前怖い」
「他のに比べたらって話だよ！！？」
「その他が良すぎるんだろ！」
やっぱり男子と女子。小さいことでも結構ケンカになったりする。
あ、でも今もこんなやり取りするわ。悲しくなってきたけど。
そんなこんなで授業が終わると、学年でも問題になっているヤツが俺らに近づいてきた。
「ちょっとぉ、どうして上鳴君と仲良くしてるのぉ？」
今思えば典型的なぶりっこだな。別に嫌いって訳じゃないけど。キャラ作りじゃなければ
「いわゆるフレンドだぁ〜ね、というか腐れ縁？」
「待って腐れ縁って辛い」
「…なんかごめん」
その典型的ぶりっこ女子はAに嫉妬しているらしい。
…う〜ん、嬉しいのか悲しいのか。とりあえずモテているということにしておこう。
「もぅ！あたしも上鳴君と話すもんっ！！」
「おわっ…！！」
身長が小さかった俺は必然的に体重も軽かった訳で。
腕を引っ張られたのでそのまま倒れ込むことになってしまった。
「わわ！電気君大丈夫ですかい！？」
「し…しりもちついた程度」
Aは俺を起こすと典型的ぶりっこ女子に向かって、
「電気君は足腰が弱いおじいちゃんなんだから倒したら死んじゃうよ！」
と言ったが
「俺そんな弱くねぇよふざけんな」
誰に言われても気に食わない言葉が刺さった。
「お、覚えてなさ…ぐへ」
なんかお決まりのセリフを言おうとしたところで雑巾に引っかかって転んだので
「ああああああ誰か保健室に連れてって！」
Aは能天気なのか彼女の心配をした。
自分が巻き込まれてることも知らずに。
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作者名：真裏 | 作成日時：2017年10月9日 8時
