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20人目。 ページ21

_______静かだなぁ。





使用人専用の住居。

その廊下には私以外に何もなく、自分の足音のみが響いていた。









「_____だろ?」




不意に自分の部屋の方から声が聞こえてきた。
彼らが何か話しているのだろう。




「_____けど、でも…」


「どうせ______」





部屋に近づくと同時に、その言葉はよりハッキリと聞こえてくる。



そして、
部屋の前に立ち、扉を開けようとした時だ。






「…それより桃井。
何故"知らない"なんて嘘をついたんだ?」






落ち着いた声が、妙な確信を持ったような声が、扉越しに廊下まで聞こえてきたのだ。





「だって、あの人がまるで見てたみたいに言ってたから…」



「見てたみたい、か…うん。

桃井、当時のこと…本当の事を話せ」



「さつき、あんとき大分泣いてたもんな。

…そりゃ忘れらんねーか。3年、だっけ?」





_____泣いてた…?
私を捨てた後に後悔したってこと…?



そんな筈は無い。
そう言い切りたくない自分がいた。





「……4年だよ。




大ちゃんは知ってると思うけど、あの子と私は、どこに行くにも一緒だった。




_______だけど。


小学二年の冬、お正月前で模様替えも兼ねて大掃除を始めた時だったと思う。





『机の上にあるものは絶対捨てないで』ってお母さんに言ってあったんだ_______






もちろん、あの子も机の上に置いてあった。




なのに、その後すぐ大ちゃんにバスケしよって誘われて、帰ってみたらあの子が居なくて…





お母さんに聞いたら『ボロボロになってたから、捨てたわよ』って『もう子供じゃないんだからいいわよね?』って……っ…」






消えそうに、今にも泣きそうに語る彼女は
_____私のことをどう思っていたのか。



もしかしたら、今でも……



そんな安易な考えが頭をよぎっていた。









私はただ…
こうして、人の形をして私がここにいる意味を知りたかった。誰かに教えて欲しかった。







「それで、結局桃っちはどうしたんスか?

お母さんが捨てようとか考えるほど、その人形ってかなりボロボロだったんスよね?

やっぱそのまま…」




「…あはは…そんなわけないじゃん。

ゴミ袋漁って探し続けて…その後お母さんにかなり怒られたんだけどさ。

結局、見つけてあげられなかったんだ」







彼女は、乾いた笑みを浮かべたかと思うと、震えた声で呟いていた。







「だってあの子は…
私の、妹みたいなものだったから」

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黒ウサギ - ハーイ(*´▽`*)楽しみにしていますねっ☆ (2014年11月1日 22時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 黒ウサギさん» ありがとうございます(´∀`*)是非是非、これからもよろしくお願いします(`・ω・´)キリッ (2014年11月1日 1時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
黒ウサギ - お話いつも読ませて貰ってます(^○^)続きが気になって仕方がありません;^)更新楽しみにしています(≧∇≦*) (2014年11月1日 0時) (レス) id: 630c907ecf (このIDを非表示/違反報告)
みなみな(プロフ) - 心縷々さん» えーと…私は心縷々さんの作品を読んだことが無いのでアドバイスというより、自分が気をつけていることを言いますけど…一先ず、私は裏設定を大量に作っていたりしますね。物語の中では語られることの無い物語…そういうものが人を惹きつける魅力だと思うのです (2014年9月2日 17時) (レス) id: 0af48c629f (このIDを非表示/違反報告)
心縷々(プロフ) - あの、お願いがあります。私はホラーを書いているのですが、この小説は私の書けないなんか難しい展開が上手いと思いまして…。厚かましいのですが、アドバイスとかもらえませんか?お願いします!作者名はこのままなので…。 (2014年9月2日 16時) (レス) id: 2c93f684a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みなみな | 作成日時:2014年8月31日 18時

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